Kyoto Shimbun 1997.5.31

タンカー重油事故

148日目の終結宣言
京都府、対策本部を閉鎖

 京都府は30日、1月に発生した日本海でのロシア船籍タンカーからの重油流出事故で設置した災害対策本部を、「府域海岸部に漂着した油はほぼ回収できた」として閉鎖した。事故発生から148日目で、事実上の「終結宣言」となった。府は今後、環境調査や被害補償対策を進めながら、本格的な夏のレジャーシーズンに向け、落ち込んだ観光客の回復を図る。

 府はこの日、災害対策本部会議を開き、関係自治体などと先月から行ってきた漂着重油の最終除去作業について報告した。その結果、「海岸部の油はほぼ回収し、災害応急対策もおおむね終了した」と判断、同本部の閉鎖を決めた。

 水産資源や環境への影響調査、補償対策などは、庁内に設置する連絡調整会議に引き継ぐ。同事故で被害を受けた9府県では、京都府を除き、いずれも災害対策本部や事故対策本部を閉鎖・解散しており、京都府の本部閉鎖で、行政レベルでの対応は一応の区切りがついたことになる。

 海岸での最終的な油除去・清掃作業は、被害が大きかった網野、丹後、久美浜の3町で先月から今月にかけて実施。網野、久美浜両町では今月15日に、丹後町でも一部地域を除いて26日に終了している。

 府は海岸の清掃と並行して補償対策を進めており、これまでに府と関係市町村が油除去にかかった費用のうち、2月末までの分として約2億4千万円余りを、国際油濁補償基金に請求。これとは別に、漁業関係の被害額の一部も、全漁連を通じて請求している。

 同事故の影響で、丹後地区での旅館・民宿のキャンセルは2月下旬までに約1,300件・4千万円、宿泊数も前年比1―2割減となっており「飲食・土産物まで含めると、売り上げは約2億円落ち込んだ」(府商工部)という。このため、府では本格的な観光シーズンに向け、誘客活動に本腰を入れることにしている。

 同事故は、1月2日に島根県沖で船首が折損し沈没したタンカー「ナホトカ」から大量の重油が流出。9府県・88市町村の沿岸に油が流れ着いた。

 京都府では、舞鶴市をはじめ網野、丹後、久美浜、伊根各町に漂着。これまでに地元住民やボランティアなど延べ約7万8千人が回収作業に参加。3,600トンの重油を回収した。


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