出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

集落に活気「鞍馬炭」復活へ 京都、ネット販売も検討

窯出した炭を商品化するため、細かく切るメンバー。「鞍馬炭」の復活を目指している(京都市左京区広河原)
窯出した炭を商品化するため、細かく切るメンバー。「鞍馬炭」の復活を目指している(京都市左京区広河原)

 かつて「鞍馬炭」の産地として知られた京都市左京区広河原地区で、住民や出身者のグループが炭焼きを復活させた。高齢化が進む地区内で経験者が少なくなる中、「技術を途絶えさせてはいけない」と今春から炭づくりに挑戦してきた。住民たちは「伝統特産品の復活で、過疎の集落が活気づけば」と期待する。

 左京区北部の山間地にある広河原は、戦前まで林業と炭づくりが盛んで、集落のあちこちに炭焼き小屋があった。住民は約25キロ南の鞍馬まで炭を背負って歩き、良質の炭は飛ぶように売れた、という。

 しかし、戦後、ガスの普及で炭の需要が激減し、豪雪もあって集落を去る住民が続出。1960年に約370人いた住民は現在約120人に減った。住民によると、炭づくりは約15年前に途絶えた、という。

 「このままでは広河原の林業の歴史が消える」と危機感を持った住民ら5人が昨年8月、「広河原薪炭(しんたん)再生集団」を結成。炭焼きをなりわいとしていた段下専太郎さん(89)、小畑百さん(81)の助けで、復活を目指してきた。

 グループは今春、土と石の炭窯づくりを始め、地元の山から切り出したナラを使った炭づくりに着手。温度調節がうまくいかず、何度かの失敗を経て、今月28日、ようやく約700キロの炭が完成した。窯近くの作業場で製品化に向けて小さく切り分けており、全身を真っ黒にしながら、笑顔で作業に追われている。

 段下さんは「昭和30年代までは集落内で多くの煙が上っていたが、炭焼きが廃れると、若者がみな市街地へ働きに出て、寂しい村になった。売れるかどうかは心配だが、グループにはぜひ頑張ってもらいたい」とエールを送る。

 同地区出身でグループ代表の新谷久治さん(69)=大阪府枚方市=は「採算のとれる見込みは全くないが、地区が大切にしてきた技術を伝承したい。軌道に乗れば荒れ果てた山林にも人の手が入り、広河原の林業に明るい光が見えるかもしれない」と話す。

 グループでは現在、販路を開拓中で、ネット販売も検討している。

【 2017年09月01日 12時30分 】

ニュース写真

  • 窯出した炭を商品化するため、細かく切るメンバー。「鞍馬炭」の復活を目指している(京都市左京区広河原)
  • 手作りした炭窯から、完成した炭を出すメンバー
京都新聞デジタル版のご案内

    地域のニュース

      政治・社会

      岩手・大槌町旧役場の解体を開始
      住民団体の保存要求も

      20180618000088

       東日本大震災の津波で被災し、当時の町長や職員が犠牲となった岩手県大槌町の旧役場庁舎の解..... [ 記事へ ]

      スポーツ

      競泳、小関が100平で日本新
      欧州GP、北島上回る

      20180618000023

       競泳の欧州グランプリは17日、モナコで行われ、男子100メートル平泳ぎ決勝で小関也朱篤..... [ 記事へ ]

      経済

      東証、午前終値2万2662円
      大阪地震に懸念

      20180618000071

       週明け18日午前の東京株式市場の日経平均株価(225種)は反落した。大阪府で震度6弱の..... [ 記事へ ]

      観光・社寺

      子どもら「おいしいお米に」 石清水八幡宮で御田植祭

      20180618000026

       石清水八幡宮(京都府八幡市八幡)の御田植祭が17日、木津川沿いの水田で営まれた。強い日..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      ホンモロコ、閉校プールで養殖 京都、稚魚4万匹を放流

      20180616000054

       2015年から旧上宮津小(京都府宮津市小田)のプールで淡水魚ホンモロコの養殖に取り組む..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      福井、規制委の審査遅く「迷惑」
      知事が更田氏に苦言

      20180618000084

       原子力規制委員会の更田豊志委員長は18日、福井県の西川一誠知事と都内で意見交換した。意..... [ 記事へ ]