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「阪神」被災地育ち、感謝胸に大人の一歩 京都・龍谷大生 

阪神大震災への思いを語る林さん(14日、京都市伏見区・龍谷大深草キャンパス)
阪神大震災への思いを語る林さん(14日、京都市伏見区・龍谷大深草キャンパス)

 6434人が亡くなった阪神大震災は17日で発生から21年を迎える。

 震災が発生した年に生まれ、被災地で育った子どもたちが今年、成人式を迎えた。当時、惨状の中でも人々は手を取り合い、生まれたばかりの命に明日への希望を託した。そうして自分を育んでくれた人たちに、ありがとう、と伝えたい。龍谷大2年の林菜帆さん(20)=兵庫県西宮市=は今月、地元の式典で新成人を代表し、心からの感謝を言葉にした。

 阪神大震災では仮設住宅や復興住宅が整うまで時間がかかり、多くの被災者が親戚を頼ったり、近郊に転居したりするなどして、他府県に一時避難した。林さんも母親のおなかの中にいた時に震災に遭い、西宮市から京都府丹後町間人(現京丹後市)にある母の実家に半年ほど、両親と幼い姉が身を寄せた。

 震災で苦労した記憶や恐怖の実感はない。しかし、心の底には「全てのものが奪われた」というイメージが強く刻まれている。両親は菜帆さんが7月に生まれた後、壊れた自宅を修理して西宮に戻った。しかし、地域では多くの民家が倒壊し、地元を離れざるをえない人がたくさんいたとも聞いた。小学校では児童5人が犠牲になったと知り、胸が痛んだ。

 中学3年だった5年前、東日本大震災を目の当たりにして、あらためて思いを深めたことがある。どん底の暮らしの中で、赤子を抱えることがどれほど大変だったかと。11日に西宮市内で開かれた成人式では、約2600人を前に自分の素直な気持ちを表した。

 「食料や物資が不足し、住む場所にすら困っていた中で、家族や地域の方々、先生方が懸命に私たちを守り、育ててくれました。そうして私は今ここにいるんです」

 大人としての一歩を歩み始めたばかり。被災地で育った人間としての自覚を胸に。「震災の全てを知りたい。そして、どこかで大きな災害が起きた時に自分なら何ができるか考えていきたい」

【 2016年01月17日 08時30分 】

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