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近江牛、生産強化へ新事業 滋賀県、繁殖・肥育一貫へ

近江牛生産態勢強化のイメージ図
近江牛生産態勢強化のイメージ図

 全国的に牛肉のブランド競争が激しくなる中、滋賀県は2016年度から、近江牛の生産態勢の強化に乗り出す。繁殖から肥育まで一貫して県内で担えるよう、良質の肉牛の受精卵を乳牛に移植して育て、畜産農家に供給する頭数を増やす。輸入牛肉の関税引き下げの影響が懸念される環太平洋連携協定(TPP)対策、赤字経営が続く県出資の食肉処理施設の経営改善にもつなげる。

 県内では「近江牛」にあたる黒毛和種が約1万2千頭飼育されているが、子牛の9割近くを県外からの購入に頼り、出荷までの肥育中心の方式となっている。主な産地である宮崎県で10年に口蹄(こうてい)疫が発生した影響で、15年の子牛の平均価格は5年前から20万円ほど上がって約70万円となった。飼料価格も高騰している。

 肥育中心から「繁殖・肥育一貫」へと転換していくため、県は畜産技術センター(日野町)の事業を拡充する。体外受精で年間約1300個の胚をつくり、乳用牛に移植して肉牛の子牛を約520頭できるようにする。子牛を育てる畜産農家の負担を減らすため、市場に出すまでの育成施設「キャトルステーション」を同センター内に整備する計画で、16年度県当初予算案に約7900万円を計上した。18年度から高島家畜市場(高島市)のせりに出せるように取り組む。

 県は飼育する肉専用種の頭数を25年度までに1万5千頭まで伸ばし、繁殖雌牛も増やす計画。出荷頭数は13年度比で約1・3倍の9千頭を目指し、処理頭数の伸び悩みで債務超過状態にある県出資の滋賀食肉センター(近江八幡市)の収入増を図る。

 県畜産課は「子牛の自給率を高めて安定生産につなげる。環境にこだわった県内の水田の稲わらをえさに使う面も含めてPRし、近江牛のブランド力を強化していきたい」としている。

【 2016年02月13日 22時50分 】

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