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避難住宅、進む有償化 東日本震災5年、滋賀は半数対象に

 東日本大震災と福島第1原発事故から5年がたち、滋賀県内に避難してきた世帯への公営住宅の無償提供を有償に切り替える自治体が増え、4月から半数近くの世帯が有料で居住することになる。各自治体は就労状況などを確認した上で、一般の入居者との公平性の観点から判断したなどとするが、滋賀県内避難者の会は「生活再建が進んでいない人も多い」として無償継続を訴えている。

 公営住宅の無償提供は、東京都など多くの自治体では、災害救助法に基づく「みなし仮設住宅」として実施され、費用は受け入れ自治体が福島県など被災自治体を通じて請求し、国庫から出る。滋賀県内ではほとんどの自治体が地方自治法の規定に基づき、自主財源でまかなっている。

 災害救助法を用いれば多くの場合、来年3月末まで無償提供を続けられるため、避難者から「なぜ使わないのか」との声もある。各自治体は「震災当初から担当職員が替わり、分からない」(県住宅課)などとし、制度が生かされていない可能性もある。

 県防災危機管理局によると、県内の避難者は83世帯205人。うち16世帯を県と7市が公営住宅で受け入れている。有償化は県と甲賀市が14年度から、高島市と湖南市が15年度から行い、栗東市も16年度から実施する。対象は県と甲賀、高島、湖南が各1世帯、栗東が3世帯の計7世帯。

 各自治体の担当者は「無償提供をいつまで続けるか不透明な中で、本人の就労状況や定住の意思を確認した」(高島市)、「一般入居者との公平性を踏まえ、就労状況から生活能力があると判断した」(栗東市)などと説明。避難者側から定住希望を申し出て、有償化が決まった例もあるという。

 これに対し避難者の会は、有償化の提案を通告と受け取って仕方なく受け入れる例もあると指摘。「有償化となる場合、入居を継続するか民間の住宅に移るか、どちらを希望するか」と聞かれ、継続と答えたら有償化を了承したことになった避難者もいるという。同会は「各自治体は就労状況などをしっかりと考慮してほしい」とする。

■被災者の声に耳傾けて

 災害救助法による住宅の無償提供は、被災地に近い関東などの自治体ではよく行われている。内閣府によると、本年度の国への「みなし仮設住宅」の費用請求は被災3県と愛媛県を除く43都道府県の自治体からあり、東京都内の1583世帯(3657人)が最も多い。

 一方、関西は大阪府内が155世帯(361人)、京都府内が126世帯(306人)、滋賀県内は1世帯(4人)。被災者支援策に詳しい津久井進弁護士(兵庫県弁護士会)は「関西は避難者の母数が少なかったため、国に請求しなくても独自に受け入れることができた半面、有償化もできてしまった。それが住宅支援に差が生じる一因になったのでは。自治体は『原発事故子ども・被災者支援法』に基づき、被災者の声に耳を傾けるという一番大事な作業を行うべきだ」と話す。

【 2016年03月11日 09時20分 】

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