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京都府北部「花の寺」で獣害 独自対策も効果少なく、関係者苦悩

シカに樹皮を食べられた金剛院境内のネムノキ(舞鶴市鹿原)
シカに樹皮を食べられた金剛院境内のネムノキ(舞鶴市鹿原)

 野生動物による農作物への食害が問題になる中、京都府北部の紅葉や花で有名な寺でも境内の樹木や草花へのシカやイノシシの被害が相次いでいる。各寺とも対策を講じているが、有効な手だてはなく、関係者は頭を痛めている。

 「丹後のもみじ寺」で、紅葉シーズンには多くの参拝者でにぎわう金剛院(舞鶴市鹿原)では、シカがツツジやアジサイなどの新芽や樹皮を食べ、多くが枯れた。松尾義空住職(51)によると、5年前ほどから被害が目立つようになり、毎年、新しくモミジやアジサイの株を植えているが、すぐに食べられてしまうという。寺の周囲の山では下草がなくなり、斜面が崩落した箇所もある。

 金剛院は600ヘクタールの境内に約3千本のモミジがある。同寺は近畿2府4県の花で有名な寺が1993年に始めた「関西花の寺二十五カ所霊場(花の寺)」の3番札所。松尾住職は「境内は広い上、木を覆うと日光が当たらず、景観も悪くなる。手の打ちようがない」と嘆く。

 花の寺1番札所で「丹波あじさい寺」の観音寺(福知山市観音寺)では、イノシシの被害を受けている。昨秋にはアジサイの株約50株が掘り起こされた。

 捕獲用のおりを設置し、イノシシが嫌う臭いをまいているが、目立った効果は出ていない。小籔実英住職(65)は「掘り起こされた株は埋め戻したが、今年の開花がどうなるか」と心配する。

 花の寺7番札所で、野草やアジサイなど500種が咲き、4月のミツバツツジが名高い如意寺(京丹後市久美浜町)でもシカの被害に悩まされ、境内を囲うように500メートルにわたってナイロンのネットを張る。しかし昨夏は破られ、野草に被害が出た。3月には金属製の柵に変える予定だ。

 府は年間、シカ約2万頭、イノシシ約7千~1万3500頭を捕獲しているが、野生動物による府内の農作物被害額は2014年度で3億7900万円(府農産課調べ)に上り、うちシカとイノシシで7割近くを占める。

 府文教課や府教育委員会文化財保護課によると、文化財でない場合は、例外を除き寺関係で野生動物による被害や対策への補助制度はないという。金剛院の松尾住職は「自分たちで対策をするのが第一だが、何らかの支援があるとありがたい」と話す。

【 2017年01月29日 19時46分 】

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