佐川印刷元役員、不正流用41億円分も無罪主張 京都地裁公判
佐川印刷(向日市)の財務担当だった元役員らが巨額の資金を不正流用したとされる事件で、電子計算機使用詐欺罪に問われた元役員湯浅敬二被告(63)と元社員宮口孝被告(63)、知人の建設コンサルタント業村橋郁徳被告(57)の第2回公判が16日、京都地裁(橋本一裁判長)であった。
これまで起訴された総額計45億5千万円のうち、追起訴された計41億2千万円についての罪状認否が行われ、湯浅被告らは初公判と同様に「佐川印刷グループの投資だった」と無罪を主張し、宮口被告は起訴内容を認めた。
検察側の冒頭陳述によると、湯浅被告は2007年9月、退社後に自ら事業展開したいと考え、村橋被告が持ち掛けた霊園事業への資金提供に応じ、無断で子会社「エスピータック」(亀岡市)の資金3億5千万円を送金。だが、事業が軌道に乗らず、会社資金で返済し、不正流用が露見しないよう宮口被告が簿外処理したという。
10年4月には、村橋被告が提案したシンガポールでのサーキット事業で、建設予定地の貸借料などとしてインターネットバンキングを介し計29億円を送金。宗教法人名義の口座に送金した上で簿外処理されたという。さらに同年1月には、佐川印刷の顧問だった男性と共同出資で会社を設立し、11年に南丹市のゴルフ場の買収目的で、計12億2千万円を同社の口座に送金したという。
【 2017年05月16日 23時00分 】