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石綿対策、所有者任せで低調 京都市、補助金利用も低迷

石綿に関する京都市の補助実績(件)
石綿に関する京都市の補助実績(件)

 吸い込むと肺がんや中皮腫を発症する恐れがあるアスベスト(石綿)について、民間の建物所有者による含有調査や対策工事に対する京都市の補助金の利用が伸び悩んでいる。かつては20件近い年度もあったが、制度開始10年の昨年度は5件にとどまった。公共建築物は国や自治体が対応を進めてきたが、民間の建築物は所有者に任されているのが実情。市は「リフォームの機会などに制度を利用して」と呼び掛けている。

 安価で耐火性などに優れた石綿は1970~90年を中心に、鉄骨の柱や梁の被覆、天井裏に吹き付けられた。2005年に兵庫県尼崎市の工場周辺で健康被害が発覚した「クボタショック」を経て、12年に製造・使用が全面禁止された。だが発症までの潜伏期間が数十年と長く、近年、建設業に従事した人たちが各地で訴訟を起こしている。

 今後は石綿が使われた建物が老朽化する。京都府内で1956~89年に建てられた1千平方メートル以上の民間建築物のうち、露出して石綿が吹き付けられていたのは2015年度で529棟あり、未対応は252棟で半数近くを占める。小規模建築物は、国全体の推計で、石綿使用分の36%が対応できていない。

 京都市が国の枠組みを活用して07年度に始めた補助制度では、石綿の有無を調べる含有調査は全額(上限25万円)を補助し、除去や封じ込め、囲い込みなど対策工事は3分の2(上限100万円)を補助する。しかし各年度の実績は含有調査が2~16件、対策工事は0~6件にとどまる。

 多人数が利用する建築物の火災や災害を防ぐため、所有者が専門技術者に点検してもらい、結果を市に伝える定期報告制度の対象が拡大した13年度以降は補助実績が増えたが、16年度は再び落ち込んだ。

 市は「石綿の危険性は一定認識されているが、お金をかけて行動してもらうまで周知できていなかった」とし、含有調査は本年度で補助が打ち切りになる可能性があることも踏まえ、「含有調査は自己負担がないので、まず調べてほしい」とする。

 補助金の対象は、民家や事務所など建物の用途や大きさは問わない。申し込みは、市建築安全推進課075(222)3613。

【 2017年07月23日 14時00分 】

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