障害男性、和ろうそくの絵付師に 京都の老舗、作品を販売

精神に障害のある男性が手掛けた和ろうそく(京都市中京区)
精神に障害のある男性が手掛けた和ろうそく(京都市中京区)

 精神に障害のある男性によって絵付けされた「和ろうそく」の販売が、このほど京都市中京区の店舗で始まった。3月から絵付け師として働き始め、ほかの職人の作品と同等の出来栄えとなったことから市場に出た。後継者不足が課題の伝統工芸の世界で、障害者が新たな担い手として活躍しようとしている。

 障害者雇用に意欲のある事業者にアドバイザーの派遣などをする京都市の事業を活用し、和ろうそくの老舗「中村ローソク」(本社・伏見区)が雇用した。市内在住の40歳代の男性で、中村ローソクのセレクトショップ「おつかいもの本舗寺町六角店」の2階で絵付け作業に取り組んでいる。細筆で描く根気のいる作業だが、集中力が途切れることなく、絵のバランス感覚に優れているという。

 販売しているのは高さ約12センチ、直径約2センチの2本セット(税抜き1800円)で、ハスと小菊、フジ、シダレザクラの4種類。ほかの絵付け師が手掛けた製品ともに並んでいる。特に年間通じて人気のハス柄は、バランスや細かさから描くのが難しいが、「センスが良く、彼が手掛けるようになっても変わらず売れている」(同店)という。

 田川広一社長(54)は「障害者の作品ではなく、たまたま購入した製品を障害者が手掛けていた、というのが本来の働き方。同様の雇用の形が広がってほしい」と話す。

 商品の問い合わせは同店075(221)1621。不定休。

【2017年08月11日 12時00分】