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社説:山田知事不出馬 「安心安全」4期手堅く

 京都府の山田啓二知事が、来年4月に予定される知事選に立候補しないことを明らかにした。山田府政は4期16年で幕を閉じる。

 知事選に向けては府市長会・町村会、府内の商工連盟が5選出馬を要請したばかりだが、山田氏は明言を避けていた。かつて「多選は権力が集中する弊害がある」とも述べており、信念に従った判断なのだろう。決断を評価したい。

 山田氏は自治省(現総務省)出身で1999年に府に着任し、総務部長、副知事を経験。2002年に、4期務めて引退した荒巻禎一氏の後継として初当選した。

 山田府政のバックボーンの一つだったのは「安心・安全の実現」だ。1期目に丹波町(現京丹波町)で起きた鳥インフルエンザや府北部を襲った台風23号など、多くの災害で現場の声を聞くことを重視し、迅速な対応に努めた。

 隣接する福井県の原発に関して再稼働への同意権を求め続けたのも安心安全重視の表れといえる。

 人口減少対策にもこだわりをみせた。全国に先駆けて第3子以降の幼稚園・保育園の保育料を無償化したほか、異論を承知で「婚活」を応援する組織を立ち上げた。

 就任時に44あった府内の市町村は、合併で26に再編された。府内ではなお格差が残る。地域を支えるため、まちおこしの担い手となる新しいタイプの人材を配置したり、ビジネス的手法で地域課題を解決するグループを支援するなどのアイデアも打ち出した。

 府内エリアの特徴を生かした振興策「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」もスタートさせた。

 官僚出身らしく、おおむね手堅い府政運営を進めてきたといえるだろう。ただ、府人口の6割を占める京都市の存在にかすみがちな知事の宿命か、同市内での発信力が希薄気味だった点は否めない。

 11年から務める全国知事会長は4期目に入っている。地方分権への動きが鈍る中、もう少し国に直言する姿勢があってもよかった。

 今後の焦点は知事選の動向だ。山田氏を支援してきた自民、民進、公明各党の間で、候補者擁立への動きが活発化しそうだ。

 一方、過去の知事選で対立候補を立ててきた共産党や労働団体などでつくる民主府政の会も候補者選定を急ぐ構えを見せている。

 自民など「知事与党」に共産系が対抗する「2極」の選挙構図が続くのかどうかも注目される。

 知事に求められる役割は変化している。新しい時代を託せる候補者の擁立に力を尽くしてほしい。

【 2017年12月07日 12時50分 】

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