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社説:仮想通貨処分 対応は後手に回ったか

 金融庁が、580億円分の仮想通貨を流出させてしまった「コインチェック」を含む仮想通貨の交換業者7社に、業務改善命令などの行政処分を出した。

 うち2社には、初めて業務停止命令を下した。私的流用や本人確認を怠るなど、ずさんな業務実態が明らかになったからである。

 利用者を保護する態勢が整っていない業者を、厳しく処分するのは当然だ。

 だが今回は、流出が起きてから立ち入り検査を始め、処分に至った。対応が後手に回ったと指摘されても、仕方ないだろう。

 検査の結果、他人の資産を管理しているという意識に欠ける運営状況が、分かったという。

 顧客を保護するシステムの安全管理には、少人数の社員しか携わっていなかった。

 私的流用のほかにも、反社会的行為につながるマネーロンダリング(資金洗浄)への対策に、不備のあるところもみられた。いずれも、従来の金融機関では到底考えられない事例であろう。

 背景には、政府が仮想通貨を成長分野ととらえ、顧客保護が不十分だったこともありそうだ。

 昨年施行された改正資金決済法で、交換業者の登録制を導入したが、「当局が仮想通貨にお墨付きを与えた」と受け止められ、市場を過熱させたとされている。

 その際には、制度導入前から営業していた業者は特例で「みなし業者」とし、登録申請中は営業を継続できるようにした。

 処分を受けたコインチェックなどは、みなし業者である。見通しの甘さが、あったといえよう。

 金融庁は、今回処分した各社に改善計画の提出を求めた。また、国内の全交換業者に立ち入り検査を実施する方針を示している。この際、厳正で適切な対応をしてもらいたい。

 仮想通貨は、複数のコンピューターで取引を監視する先端技術に支えられ、グローバルな決済手段として、さらに発展する可能性がある。しかし一方で、各国の中央銀行のような公的な管理者が存在しない難点がある。

 管理・監督が行き届かない現状を受けて国内では、新たな業界団体を設立する動きがある。

 今月中旬に開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも、規制に関する議論が行われる見通しだ。

 単に業者を処分するだけでなく、適正な運営に向けた態勢づくりも欠かせないのではないか。

【 2018年03月13日 12時51分 】

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