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強制不妊告白、力になりたいが 滋賀、元奉仕員女性の思い

強制不妊手術の被害を打ち明けた姉妹の救済を願う元家庭奉仕員の女性=滋賀県内
強制不妊手術の被害を打ち明けた姉妹の救済を願う元家庭奉仕員の女性=滋賀県内

 旧優生保護法(1948~96年)に基づく障害者らへの強制不妊手術で、元家庭奉仕員の女性(66)=滋賀県守山市=に手術体験を打ち明けた姉妹がいた。救済への模索が始まった四半世紀後の今、女性は姉妹の力になりたいと願うが、個人情報や時間の壁の前に消息さえ不明という。手がかりの鍵は滋賀県が握るが、「資料の保全」という消極的な姿勢を崩さない。女性は「県は国の方針を待たず、実態調査を始めるべき」と訴える。

 女性は当時、市町の社会福祉協議会の派遣で週2回、自身より二回りほど年配の姉妹宅で家事を手伝った。2人には同法が手術の要件として定めた疾患の一つがあった。

 姉は、自ら「私たちひどい目に遭った」と切り出した。「急に家に来てそのまま連れて行かれ、手術を受けさせられた。本当に突然で恐ろしかった。今も悲しいし悔しい」と告げた。隣に座る妹もうなずいた。

 女性は同情したが、社協へ報告しなかった。「障害者が産めなくされた時代があることは知っていたが、歴史の一ページととらえていた」と振り返る。

 宮城県の60代女性が1月、強制不妊手術を受けさせられたのは違憲だとして全国で初めて国を訴えた報道に、姉の言葉がよみがえった。4月下旬、姉妹宅だった場所に足を運ぶと、見慣れた民家はなく、妹は別の市町で数カ月前に亡くなったと聞いた。

 女性は「各地で被害者が声を上げ始めた。見ないふりは良心に反する。聞いた者の責任がある」と力を込める。だが、「手術を推進した行政を信用しきれない」として県の相談窓口には情報提供していない。

 厚労省の統計によると、県内では54~75年に282人が断種させられたが、県が把握するのは10人のみ。県は4月、政府の方針に基づき相談窓口を設置したが、仮に具体的な情報が寄せられても「国の指示がない」として詳細な調査は考えていない。

 女性は言う。「県は謝罪した上で情報を幅広く募り、救済に向けて早く調査に乗り出してほしい。国の方針を待つ間にも被害者は亡くなっていく」

【 2018年05月25日 08時20分 】

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