出版案内
福祉事業団
47NEWS

潜水ロボ淡探 技術者引退へ 県予算未計上、琵琶湖研究後退も

湖底調査のため琵琶湖へ投入される淡探(高島市沖)
湖底調査のため琵琶湖へ投入される淡探(高島市沖)

 滋賀県による琵琶湖底の研究で活躍してきた潜水ロボット「淡探(たんたん)」の今後の活用が暗礁に乗り上げている。湖底を観測できる世界唯一の自律型潜水ロボットを開発から運用まで中心的に担ってきた県職員が本年度末で定年退職するが、技術を継承する体制が整っていないためだ。外部からは「琵琶湖研究が後退するのでは」と不安視する声が出ている。

 最深部100メートル以上に及ぶ湖底は状況把握が難しい。県が2000年に2億6千万円で建造した「淡探」は内蔵コンピューターに調査地点を入力すると、障害物をよけながら湖底の1メートル上を航行。水中顕微鏡やビデオカメラで映像をとらえ、湖底環境を監視する。

 1993年に導入されたケーブル付の水中探査ロボに比べて調査可能な範囲が広く、琵琶湖固有種の魚「イサザ」の大量死を発見したり、メタンガス噴出の撮影に世界で初めて成功。温暖化による湖底の低酸素化などに警鐘を鳴らしてきた。

 県は財政難のため「淡探」の関係予算を08年度から計上していない。さらに県琵琶湖環境科学研究センターの熊谷道夫環境情報統括員が3月で退職し、「淡探」を中心的に運用できる県職員がいなくなる。外部の大学研究者らとの共同利用は可能だが、同センターは「県の研究計画との整合性がとれない」とし、実現は不透明だ。

 県の予算が計上されなかった間、熊谷統括員は民間団体などからの助成を受けて運用してきた。近年の調査では、09年に初めて発見した、湖底から水やガスが噴き出す「ベント」の増加を観測。地殻変動の可能性も考えられ、東日本大震災が発生して防災意識が高まる中、熊谷統括員は「淡探の技術が途絶えるのはもったいない」と話す。

 「淡探」の運用に助成を続けているNPO法人「びわ湖トラスト」(大津市)の高木順事務局長(65)は「ベントは防災面で貴重なサインかもしれない。県には、淡探という資産を大学など外部と共同利用するといった柔軟な対応をしてほしい」と話す。

【 2012年02月22日 09時25分 】

ソーシャルブックマークへ投稿: このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 ソーシャルブックマークとは

ニュース写真

  • 湖底調査のため琵琶湖へ投入される淡探(高島市沖)
携帯サイトのご案内

    滋賀のニュース

      政治・社会

      小沢氏、増税反対堅持を表明
      首相との会談前に

      20120524000079

       民主党の小沢一郎元代表は24日、国会内で開かれた自らが会長を務める勉強会で、消費税増税..... [ 記事へ ]

      スポーツ

      サッカーW杯最終予選の日本代表
      本田、香川、宮市ら25人

      20120524000074

       日本サッカー協会は24日、6月に始まるワールドカップ(W杯)ブラジル大会アジア最終予選..... [ 記事へ ]

      経済

      HP、2万7千人削減
      業績低迷で

      20120524000051

       【ニューヨーク共同】米コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)は23日、全従..... [ 記事へ ]

      観光・社寺

      公開の車塚古墳、見学者続く 向日、歴史ファンら多数

      20120524000044

       向日市物集女町で石室の一般公開が始まった物集女車塚古墳(京都府指定文化財)で、歴史ファ..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      校内茶園で3年ぶり収穫 木津高の新設地

      20120523000065

       京都府木津川市の木津高が新たに整備した茶園で22日、初めての茶摘みがあり、関西学研都市..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      生ごみのリサイクル、軌道に 近江八幡のNPO

      20120523000155

       企業や病院から出る生ごみを堆肥にし、米や野菜を育てて事業所の食堂などで使用する食品リサ..... [ 記事へ ]