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厄介者の水草で発電、廃液からクロレラ 滋賀県立大

メタンガスの生成過程で出る廃液を使い、クロレラの培養に成功した装置。クロレラは栄養価の高い飼料などとして需要が見込まれるという(彦根市八坂町・滋賀県立大湖沼環境実験施設)
メタンガスの生成過程で出る廃液を使い、クロレラの培養に成功した装置。クロレラは栄養価の高い飼料などとして需要が見込まれるという(彦根市八坂町・滋賀県立大湖沼環境実験施設)

 滋賀県立大などの研究グループは27日、琵琶湖に繁茂する水草から発電などに使えるメタンガスをつくるとともに、その処理廃液で栄養価の高い飼料となる微細藻類を培養する技術を確立した、と発表した。異常繁茂する水草は現在、多額の費用を投じて堆肥にされているが、同グループは「厄介者の水草を資源として見直し、新産業の創出も期待できる」としている。

 水草などの有機物を発酵させてメタンガスをつくる技術はこれまでにもあった。だが、発酵処理後の廃液には窒素やリンなど富栄養化につながる成分が多く含まれており、再処理する必要があった。

 研究グループは、この廃液に着目。クロレラやユーグレナ藻などの単細胞微細藻類は、培養の過程で水中の窒素やリンを90%以上取り込むことができる。さらに、クロレラなどは栄養補助食品や家畜の機能性肥料として需要が見込めることから、廃液で効果的な培養が可能か実験した。

 彦根市の同大学湖沼環境実験施設に1日1・5キロの水草を処理する200リットルメタンガス発酵槽を設置。ここで排出される廃液と二酸化炭素をパネル型の10リットル容器3基に送り、クロレラを培養した。一定量が培養されるとそれ以上の培養が止まる課題があったが、技術検証を重ね、1日当たり乾燥重量で約30グラムのクロレラ生産に成功したという。

 収益性を高めるためには広い培養地を確保する必要があり、研究グループは今後、1日5トンの水草が処理できるプラントでの実験を進める予定。県立大環境科学部の伴修平教授は「水草の利用価値を高めることが琵琶湖の保全につながる。現代版の里と湖の循環社会構築につなげたい」としている。

 琵琶湖の水草はかつて、農地の肥料として需要があったが、安価な化学肥料が登場してからは需要が激減。公的機関が税金を投入し、刈り取りや堆肥化を進めている。今回の研究は、琵琶湖の生態系保全に向けた新たな資源循環の仕組みの開発を目的に、県立大と琵琶湖環境科学研究センター、創価大、国立環境研究所が環境省の助成を受けて2014年から進めていた。

【 2016年07月27日 22時02分 】

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