出版案内
福祉事業団

認知症の父たたき…「虐待」で面会禁止 行政の判定にトラブル増

父親の写真を見つめる女性。「こんな形で父と離れるとは思ってもみなかった。いろんな人に相談したり、交渉したりして疲れた」とつぶやく(大津市内)
父親の写真を見つめる女性。「こんな形で父と離れるとは思ってもみなかった。いろんな人に相談したり、交渉したりして疲れた」とつぶやく(大津市内)

 高齢者虐待の件数が増える中、介護を尽くしてきた家族がストレスで手を挙げるなどしたため、行政に「虐待者」と判定され、トラブルになるケースが増えている。虐待をしたと判定され、父親と1年以上面会できなかった女性に話を聞いた。

■大津の50代女性、市に不信感抱き解決まで1年

 大津市の50代女性は認知症の80代の父親を5年前から、デイサービスなどを利用しながら一人で介護してきた。父親は昔から気性が荒く、認知症になってからも殴りかかってきたりしたので、女性も抵抗し、押さえつけたり、たたいたりした。

 2014年7月、女性は「親族の財産問題があり、相談したが話が通じず、イライラした」と、父親をたたいた。ケアマネジャーらに相談し、虐待に当たることを指摘され、気をつけるようにした。父親を施設に入れる手配も進めていた。

 だが状況は変わらず、女性は筒で父親をたたき、右目の上にこぶができるけがを負わせた。市は「父親に危険がある」と認定。父親は施設で保護されることになった。安全のため所在地は教えてもらえず、女性は父親と面会できなくなった。

 15年1月、父親に手術が必要となったことから面会が可能になり、一緒に通院もした。女性は、父親の財産管理に関する市の対応などについて、各所へ相談に回った。だが女性が、必要な手続きを怠って父親の施設に面会に一度行ってしまったことから、市は再び面会禁止の措置を取った。

 女性は「介護も頑張り、事前に相談しSOSも出していたのに、『虐待した』と言われたことがショックだった」と話す。市に不信感を抱いてしまったため、担当者とのやりとりはその後平行線のまま、1年近く時間を費やした。

 今年8月になって、ようやく制限が解除され、父親の成年後見人のもと、面会できるようになった。女性は「父親と強制的に離れたことで、気持ちは落ち着き、結果的にはよかった。ただ長期間にわたって父の体調がどうなっているのかまったく分からず、ストレスで倒れそうだった。どうしてこうなったんだろう」と嘆いた。

【 2016年11月27日 21時31分 】

ニュース写真

  • 父親の写真を見つめる女性。「こんな形で父と離れるとは思ってもみなかった。いろんな人に相談したり、交渉したりして疲れた」とつぶやく(大津市内)
京都新聞デジタル版のご案内

    滋賀のニュース

      政治・社会

      虐待防止、訴え琵琶湖一周 10月にリレー、参加募る

      20170821000021

       琵琶湖一周を走って子どもの虐待防止を呼び掛ける「びわ湖一周オレンジリボンたすきリレー」..... [ 記事へ ]

      スポーツ

      ヤンキース田中、復帰に闘志
      23日のタイガース戦

      20170821000028

       【ボストン共同】右肩炎症で故障者リスト(DL)に入っているヤンキースの田中将大投手が2..... [ 記事へ ]

      経済

      「さくら筆」のメーク術を指導 京都で22日

      20170820000067

       化粧筆専門店「京都六角館さくら堂」(京都市中京区)を運営するMURAGISHI(大阪府..... [ 記事へ ]

      観光・社寺

      幻想的に重文照らす 滋賀・石塔寺でフェス

      20170820000121

       国内最古の三重石塔で重要文化財「阿育王塔(あしょかおうとう)」などをライトアップする「..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      山城の魅力、同女大生が動画発信 京都、12市町で撮影

      20170820000043

       同志社女子大(京都府京田辺市興戸)の学生たちが山城地域の魅力を伝える動画の制作を進めて..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      iPS創薬応用へ初の提携契約 京都のベンチャーと理研

      20170820000123

       iPS細胞(人工多能性幹細胞)の創薬応用を推進するため、京都市上京区のベンチャー企業「..... [ 記事へ ]