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オオバナミズキンバイ駆除しても際限なく 琵琶湖に繁茂

重機で持ち上げられるオオバナミズキンバイなど(米原市朝妻筑摩・蓮池)
重機で持ち上げられるオオバナミズキンバイなど(米原市朝妻筑摩・蓮池)

 琵琶湖で異常繁茂が問題になっている特定外来水生植物オオバナミズキンバイの駆除に県が手を焼いている。漁船の運航や生態系に影響が出るため本格的な対策に乗り出しているが、駆除してもまた新たに生えるいたちごっこが続く。非常に繁殖力が強く、県は早期駆除に向け住民に協力を呼び掛けている。

■繁殖力強く漁業に影響

 琵琶湖に通じる米原市朝妻筑摩の蓮池。12月初旬、オオバナミズキンバイ500平方メートルと、同じく特定外来種のナガエツルノゲイトウ2700平方メートルが水面を覆っていた。

 現場では委託業者が改良した林業用重機を岸辺に設置。次に熊手をつけたワイヤを群落に引っかけ、岸辺に一気にかき集めてから重機で水揚げする。最後に作業員が池に入り、切れた茎や根を網ですくう。種子が残って拡散する恐れがあるため、堆肥にすることができず再利用が難しい。乾燥後に、すべて焼却処分するという。

 琵琶湖博物館の中井克樹専門学芸員は「群落は水に浮いているので、風に吹かれてヨシが茂る岸辺に寄ったりする。在来植物と交雑したり、魚が卵を産む時の障害になって漁業に影響をもたらすといった恐れがある」と語る。

 オオバナミズキンバイの特徴は、成長スピードの速さと、切断した茎から再生できる繁殖力だ。刈り取っても、少しでも茎が残ればそこから繁茂する。琵琶湖では2009年に守山市で発見され、13年の台風18号で増水した際に拡散したと見られる。最初はキャベツのような形の葉を付けて水面に広がっていく。次に上に伸びるようになると長細い葉の形になり、陸にもせり出してくる。

■黄色くかれん、住民の危機感薄く

 県自然環境保全課は「悪臭を放つといった具体的に迷惑になることがない。むしろ黄色いかれんな花を咲かせるので、一般の人に危機感を持ってもらえない」として、駆除見学会を開くなどして県民に危険性を訴えている。

 琵琶湖での生育エリアは14年度末で4万6300平方メートルだったが、15年度末は20万平方メートルにまで拡大。県は本年度計3億3300万円の予算を掛けて対策を図っている。蓮池では一昨年繁殖が確認され、何度も人力や機械で駆除をしているが、根絶に至らない。

 千葉県などでは水田にまで繁殖し、農業にも影響が出ているという。中井さんは「冬はカモなどの渡り鳥が群落の中を泳いだりしている。ちぎれた茎が脚に引っかかることで、内陸のため池にも拡散するかもしれない」と危ぶむ。拡散防止に向け、「地域の細かな目で水辺を見守っていくことで管理していくしかない」とし、駆除に向けた早期発見と情報提供を呼び掛けている。

【 2017年01月17日 15時00分 】

ニュース写真

  • 重機で持ち上げられるオオバナミズキンバイなど(米原市朝妻筑摩・蓮池)
  • オオバナミズキンバイの葉の特徴を説明する中井専門学芸員
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