出版案内
福祉事業団

泳ぐイノシシ急増、生息域も拡大中 滋賀の研究者が出版

泳ぐイノシシの調査結果をまとめた著作を出版した高橋教授
泳ぐイノシシの調査結果をまとめた著作を出版した高橋教授

 琵琶湖や瀬戸内海など全国で泳ぐイノシシが目撃される中、滋賀県守山市の研究者が各地の状況をまとめた著書「泳ぐイノシシの時代」を出版した。もともと泳ぐ能力があるといい、耕作放棄など人間社会の変化によって海や湖を渡るケースが急増していると指摘。「泳ぐことを前提とした対策が必要だ」と主張している。

 著者はイノシシ研究に携わる奈良大の高橋春成教授(生物地理学)=守山市洲本町=。西日本で現地調査やアンケートを行い、滋賀県の沖島や竹生島、舞鶴湾にある戸島、瀬戸内海の宮島(広島県)や小豆島(香川県)、天草諸島(熊本県)や慶良間列島(沖縄県)など110の島でイノシシが泳いで渡っていることを確認し、内容をまとめた。

 調査では、各地の島で1990年代からイノシシの出没が増えていることも分かった。高橋教授は、江戸期の開墾で山へ追われたイノシシが、人口流出に伴う耕作放棄や暖冬による個体数の増加などで生息域を広げていると指摘。海岸近くまで達したことで、猟犬に追われるなどして海に飛び込む例が増えている、と分析した。

 過去にイノシシと関わってこなかった沖島などでは、農作物被害などの対策が十分でないとの課題も挙げ、「新しく海を渡るイノシシが出ないような狩猟・駆除の方法や、島を含めた広域的な対応が求められる」と強調した。

 昨年末に彦根市街で4人に重軽傷を負わせたイノシシも琵琶湖を渡ってきた可能性が指摘されている。高橋教授は「イノシシは山の動物という固定観念をなくし、湖や海を容易に泳ぐと認識を変える必要がある」としている。

 170ページ。1800円(税別)。サンライズ出版TEL0749(22)0627。

【 2017年03月04日 15時30分 】

ニュース写真

  • 泳ぐイノシシの調査結果をまとめた著作を出版した高橋教授
京都新聞デジタル版のご案内

    滋賀のニュース

      政治・社会

      「構図は多くが破綻」 滋賀・日野町事件、弁護士が指摘

      20170424000167

       滋賀県日野町で1984年に酒店の女性経営者が殺害された「日野町事件」で、阪原弘元受刑者..... [ 記事へ ]

      スポーツ

      大学スポーツ振興目指す 関西で連携組織発足へ

      20170424000156

       米国をモデルに日本の大学スポーツの振興を目指す国の指針を踏まえ、京滋など関西の大学教員..... [ 記事へ ]

      経済

      心も満たす幸せ社食 京都の企業、おしゃれに充実

      20170424000151

       ランチは午後からの仕事の活力源だ。外食もいいけれど、やっぱり第一の選択肢は懐に優しい社..... [ 記事へ ]

      観光・社寺

      楼門照らす温和な明かり 西本願寺で試験点灯

      20170424000170

       京都市下京区の西本願寺(浄土真宗本願寺派本山)で、25日から国宝や重要文化財の建造物を..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      企業、地元学生の心つかめ 大津で採用のフォーラム

      20170424000166

       2018年春に卒業予定の大学生採用に向けた会社説明会が本格化する中、滋賀県内の企業を対..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      偽肝炎薬が病院にも流通
      和歌山市、患者には渡らず

      20170424000051

       C型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品15本が1月、東京都や奈良県で相次いで見つかった問..... [ 記事へ ]