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中山道柏原宿、3百年の記録刊行 滋賀・米原市教委が「萬留帳」

滋賀大に寄託されている萬留帳の一部(米原市教委提供)
滋賀大に寄託されている萬留帳の一部(米原市教委提供)

 滋賀県米原市教育委員会は、旧中山道柏原宿の江戸初期から昭和までを記録した「萬留帳(よろずとめちょう)」を活字に置き換え、翻刻した調査報告書「近江国中山道柏原宿三〇〇年の蓄積」の第1巻を刊行した。

 柏原宿(同市柏原)は、日本橋から中山道60番目の宿場で、東西1・5キロに1843(天保14)年当時で344軒の家があった大規模な宿場として知られる。現在も、しっくいの白壁とベンガラで彩られた軒の低い重厚な2階建てが並び、往時の面影をしのばせている。

 萬留帳は、宿場役人たちが業務日誌や報告書、届け出書などとして書き続けてきた記録で、1660(万治3)年から1955(昭和30)年まで、69冊あり、現在は滋賀大史料館に寄託されている。同市教委によると、これだけの期間におよぶ宿場の記録が残っているケースは全国的にもまれで、貴重な歴史資料とされる。

 地元の郷土史家谷村潤一郎氏(故人)が、6年かけて全冊を解読翻刻した資料を基に、市教委が2014年から調査に着手。今回初期の10冊を第1巻にまとめた。全冊翻刻へ向け5人体制で作業を進めているが、最短でも23年までかかる見込みという。

 萬留帳には、事件や災害、火事や幕府や郡山藩(奈良県)への請願など、宿場で起こった諸事が記されている。幕末、皇女和宮が江戸に向かうため柏原宿本陣に宿泊した際には、「亀屋七兵衛左京」の店で長持ち3竿(さお)のもぐさが売り切れになった-などの記載があるという。

 報告書はA4判400ページ。400部を作製し、柏原宿歴史館や米原市山東・近江両図書館などで閲覧できる。1冊2千円で販売もする。

 市教委は刊行を記念し、6月10日午後1時半から、柏原生涯学習センター(同市柏原)で講演会を開く。申し込み不要。問い合わせは同市教委歴史文化財保護課TEL0749(55)4552。

【 2017年05月04日 08時30分 】

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