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ブラジル籍児童、滋賀で急増 母国の治安悪化、背景に

「さくら教室」で学ぶブラジル籍の子どもたち(湖南市水戸町・水戸小)
「さくら教室」で学ぶブラジル籍の子どもたち(湖南市水戸町・水戸小)

 滋賀県内最大の工業団地「湖南工業団地」内にある水戸小(湖南市水戸町)に通うブラジル籍の児童が急増している。2014年4月に31人、昨年4月に38人だったのが、現在52人になった。景気回復による求人増や母国の治安悪化を背景に、定住を目指して家族で移り住む傾向が強まったためとみられる。市教育委員会や学校側は、通訳を常駐させるなど支援体制を強化している。

 同小の全校児童383人のうち外国籍は2割近い72人で、リーマン・ショック前の08年の52人を大きく上回り、県内小学校で最多。平島俊彦校長は「ペルーやアジア圏は微増で、ブラジル籍の児童が目立って増えている」と話す。

 背景に労働者需要の高まりがある。湖南工業団地協会(同市西峰町)は「人手不足の会員企業は多い」とする。同市内でブラジル人の人材派遣業を営む日系ブラジル人3世の大森秀夫さん(35)は「以前のように父親だけ出稼ぎに来るのではなく、家族で移住し日本に定住したいと考える家族が増えた」と指摘する。

 同市のブラジル籍市民は07年に2020人いたが、リーマン・ショックで15年に1012人まで減り、現在は1323人。市民より児童の増加の度合いが高い理由を、大森さんは「治安が悪化しているブラジルでなく、安心できる日本で子育てをしたい人が多いからでは」とみる。

 市教委は昨年度から、同小にポルトガル語通訳を週5日常駐させ、教師を補助する学習支援員にポルトガル語などを話せる人材を配属。さらに岩根小に開設していた日本語初期指導教室「さくら教室」を今春から水戸小に移した。開校時には10人が通い、現在は15人まで増えている。

 水戸小も毎年12月に外国籍の市民を招いて講話を聞くなど、異文化理解教育に力を入れており、口コミやSNSで評判を知り同小を選ぶ保護者もいるという。

 通訳で常駐する日系ブラジル人2世石川イズミさんは「定住したい家族が増え、運動会などの学校行事に保護者も積極的に参加するようになった」と話す。

 一方で、定住傾向の高まりで顕在化した課題もある。さくら教室の望月幸夫室長は「中学生くらいで来日すると学力が追いつかず、高校進学が非常に厳しい。言葉の壁があり、発達障害の子どもの見極めが難しい例もある」という。

【 2017年12月25日 08時26分 】

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