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職員「大量の票失い動揺」 白票水増し、開票遅れで重圧

昨年10月に衆院選と市議選の開票作業が行われた甲南情報交流センター(甲賀市甲南町竜法師)
昨年10月に衆院選と市議選の開票作業が行われた甲南情報交流センター(甲賀市甲南町竜法師)

 滋賀県甲賀市選挙管理委員会の幹部3人が、昨年10月の衆院選滋賀4区の開票作業で白票を不正に水増しした問題は、12日で発覚から1週間。市選管の調査に、3人は動機を「開票の遅延を防ぐため」と語った。不正の背景には、未経験だった市議選とのダブル選に加え、台風接近で開票作業の人員が削られる中、時間通りに開票を終わらせようとするプレッシャーがあったとみられる。

 「大量の票が失われて動揺した。あせった」。市選管の聴取に、選管事務局長だった前市総務部長(57)、前総務部次長(56)、前総務課長(55)の3人は動機を語り、関与を認めたという。

 開票作業中、投票数より開票数が数百票少なくなったことが不正の発端だった。3人は未開封の投票箱を探すよう指示したが見つからなかったため、未使用の投票用紙を白票の中に混ぜ込んで帳尻を合わせた。だが翌日、開票済みの投票箱を保管する部屋で未開封の投票箱を別の職員が発見。報告を受けた3人のうちの1人が、中身を自宅に持ち帰り焼却したという。

 甲賀市の小選挙区の結了時間は、投開票日から日付が変わった23日午前2時5分。前回よりも2時間半以上遅れ、県内19市町でも最も遅かった。松山仁市選管委員長は「(早期開票に)かなりプレッシャーがあったと思う」と推し量る。

 他自治体の選管でも、開票作業には常に重圧があるという。甲賀市と同じくダブル選となった野洲市選管は「市議選も一緒だと、観覧する有権者が増える。早く結果を知りたいというプレッシャーはより感じる」と話す。

 甲賀市では、合併後、初めて国政選挙と市議選の投開票日が重なった。使った投票箱は過去最多の400箱。投票箱を開票場所に保管することができず、別室を使うなど従来とレイアウトを変更したため、職員の動線も大きく変わった。開票は市議選と平行して進めたため作業量も増えていた。

 台風の接近も重なった。22日午後9時半の開票開始時点で、市内の一部に避難勧告が発令されていた。防災対応もあり、開票所の人員は当初より12人少ない160人に変更された。

 会場の立会人(78)は「台風が近づき焦っているようには思えたが、不審な動きは全く確認できなかった」と語る。これまで何度も立会人を務めた男性も「開票作業はいつも通りで、投票箱を捜索していたのも全然気づかなかった」とし、「全員できちんと探していれば絶対に見つかったはず。公正な選挙のために立会人制度がある。自分も共犯者のような気分」と不快感を表した。

 甲賀市の投票総数は4万7851、白票は1236票だった。市選管は、水増しされた白票の数は「数百票」とする。滋賀4区の当選者と次点の差は1万5497票。市選管は「惜敗率も含め、選挙の結果に影響はない」とする。だが市内の60代男性は「結果が変わらなければいいのか。数百人の有権者の意思が無視されたということに変わりはない」と憤る。

 滋賀県警は公選法違反の疑いがあるとみて、前市総務部長ら3人のほか関係職員を任意で聴取するなど捜査を続けている。

【 2018年02月12日 08時01分 】

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