一日一書




 昨日重陽、明日は十五夜。今日、月を待つ宵。例年なら秋風が吹き始める頃だが、今年はどうも調律不全。
 でも秋は酒。軽い酩酊(めいてい)も悪くはない。そこで藤原行成の白氏詩巻の「酩酊」の「酊」。相互に向き合う縦画を洋酒樽(たる)状中膨らみの向勢に構成。旁(つくり)が下方に位置する姿に注意。月の季節には平安中期、三蹟の書が偲(しの)ばれる。

(解説 石川九楊)


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