一日一書




 幕臣で槍の名手、高橋泥舟(でいしゅう)の「墾(はる)」。初唐の三大家のひとり虞世南(ぐせいなん)の孔子廟堂碑(こうしびょうどうひ)を思わせる端正な楷書体。勤王・佐幕派を通じてこれほど本格的な楷書の例を知らない。
 他方、勝海舟、山岡鉄舟と並んで三舟と称されるように、三者共通の墨蹟風に筆をねじこんだ、枯木のごとき書も残しており、その落差に驚く。

(解説 石川九楊)


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