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本屋で「立ち飲み」いかが 京都で異色営業

書棚の脇に設けた居酒屋スペース。常連客がグラスを傾けながら語り合う(京都市南区・遠藤書店)
書棚の脇に設けた居酒屋スペース。常連客がグラスを傾けながら語り合う(京都市南区・遠藤書店)

 「立ち読み」から「立ち飲み」へ―。京都市南区の書店が夜間に立ち飲み居酒屋として営業している。本のインターネット販売や大型書店に押され、全国的に個人経営の書店が減る中、試行錯誤の末に居酒屋にたどり着いた。手作りの料理と真心を込めた接客を武器に、「まちの本屋さん」が新規客開拓に挑む。

 南区竹田街道九条上ルで80年続く「遠藤書店」。午後6時、店先の提灯に明かりがともった。雑誌などが並ぶ店内で、古くからの常連から最近訪れるようになった人までがビールグラスを片手に語らう声が響く。

 店主の遠藤宗男さん(57)が昨年6月に始めた。もともと料理好きでもあったが、低迷する書店の売り上げを回復させるのが目的だった。

 父親から店を継いだ10年ほど前から、ネット販売などの影響で売り上げが落ち始めた。同様の理由で全国的に書店は減っており、京都府書店商業組合の加盟店も20年ほど前の約400店から、現在は155店と半分以下になった。遠藤さんも文房具や菓子、DVD、古本といろいろな商品を店に並べてみたものの、売り上げは下降線をたどり、「最盛期の10分の1に落ち込み、客が1日2、3人のときもあった」という。

 居酒屋営業を決め、思い切って店の3分の2ほどのスペースを改修した。費用はかけられないため、友人と2人でキッチンやテーブルを手作りし、書棚は客の荷物入れに再利用した。

 最初は串カツとおでんの2品だけだった料理は次第に増え、今は50品近い。大半が100~300円と手ごろな価格ながら、手作りにこだわる。立ち飲みスタイルだが椅子もある。

 本業は配達が中心になり、本の売り上げはさらに落ちた。しかし、遠藤さんは「居酒屋の分を合わせた全体の売り上げは少し良くなった。夜になると静かな店内で伝票整理をしていたころに比べ、お客が来てくれるので店がうるおう」と喜ぶ。ただ、「居酒屋はあくまで本屋を続けるため。やっぱり本が好き。おやじがつくった大事な店を少しでも長く続けていきたい」。

 居酒屋の営業時間は午後6~11時(同10時半ラストオーダー)。第2、3木曜休み。

【 2016年01月09日 17時00分 】

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