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故井堂さんの大絵馬優しく 京都・松尾大社

井堂さんの原画を使った来年の干支「酉」の大絵馬。漫画風の優しいタッチで描かれている(京都市西京区・松尾大社)
井堂さんの原画を使った来年の干支「酉」の大絵馬。漫画風の優しいタッチで描かれている(京都市西京区・松尾大社)

 京都市西京区の松尾大社に、来年の干支(えと)の「酉(とり)」を描いた大絵馬が、この年末も飾られた。版画家として市内で長く活動し、4月に70歳で亡くなった故・井堂雅夫さんが原画を手掛けた。井堂さんは生前に全十二支の原画を残しており、同大社は「故人の遺志を継ぎ、干支が一巡するまで作品を使いたい」としている。

 井堂さんは盛岡市出身。京都で染色の道に進んだ後、20代で木版画と出合い、30代から版画家として本格的に活動を始めた。日本版画協会の作品展に入選するなど実績を重ね、国内外で展覧会も開催。3年前には画業40周年を記念して、京都文化博物館(中京区)で作品展も開いた。

 絵馬の原画は、井堂さんが同大社で結婚式を挙げた縁もあって、大社側から依頼。2013年に初めて作品が飾られたが、翌14年に末期のがんにかかっていることが分かった。

 井堂さんは、版画家としてやり残したことがないようにと決意。自らが開設した画廊兼アトリエ「雅堂」(北区)で、未完だった申(さる)から辰(たつ)までの原画制作に掛かり、昨年のうちに全て描き切った。

 長男の雅之さん(38)が「人に喜んでもらうことが大好きな父で、絵馬も子どもが見て笑顔になれるよう描いた」と話すように、酉をはじめどの干支の原画も、リアルに再現せず漫画風の優しいタッチで描かれている。

 同大社の西村伴雄権禰宜(ごんねぎ)(62)は「プロとして最後まで描き上げた井堂さんに敬意を表し、その原画の絵馬を今後も大切に飾っていきたい」と話している。

【 2016年12月09日 10時30分 】

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