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柴犬「部長」に全国からファン 京都の和紙小物会社

シバイヌの柴田部長と田中社長。店頭に立つと全国から愛犬家のファンが訪れる(京都市中京区油小路通二条上ル・和詩倶楽部)
シバイヌの柴田部長と田中社長。店頭に立つと全国から愛犬家のファンが訪れる(京都市中京区油小路通二条上ル・和詩倶楽部)

 「柴田部長」と呼ばれる雄のシバイヌが、京都市中京区の和紙小物会社で広報担当兼商品モデルとして働いている。デザインに起用したポチ袋がヒット商品となり、店に立つと全国からファンが訪れる。今秋には写真集も出版された。「招き犬」の活躍が、社業をけん引している。

 本名は柴田スバル(推定11歳)。ポチ袋や便箋などの和紙小物を企画販売する「和詩倶楽部(くらぶ)」の広報部長という肩書だ。2代目社長の田中秀典さん(44)の友人の飼い犬でもある。

 もともと保健所で処分される寸前で民間団体が引き取った「保護犬」だった。飼育放棄され、野良犬になったとみられるという。当初はやつれた風貌だったというが、2007年に現在の飼い主が京都市内の自宅に迎え入れ、生来の愛らしさを取り戻した。

 モデルデビューは09年。新商品を練っていた田中社長が「ポチ袋だけに犬のデザインを使いたい」と発案し、スバルに白羽の矢を立てた。ポチ袋は当初、ほそぼそと売る程度だったが、法被を着せて売り場に立つスバルの写真をブログなどで発信したところ、インターネットで人気が拡散。本社や出張販売先に愛犬家らが次々と訪れ、飛ぶように売れるようになった。

 現在の関連商品はレターセットやトレードマークのちょうネクタイなど約20種類に上り、累計の販売個数は20万点を超えた。同社の業容も拡大し、従業員を4年前の5人から約20人に増員。11月にはフォトブック「はたらく柴田部長」(小学館刊)も出版された。

 犬を起用するアイデアが当たった格好だが、田中さんの真意は別のところにある。「スバルをきっかけに保護犬の存在を多くの人に知ってもらい、里親として世話を引き受ける人を1人でも増やしたい」

 スバルは人間でいうと60歳前後のシニア社員。そのため常勤ではなく、店頭に立つ機会はわずかだ。それでも「出勤日」を告知すると、東京や海外からも会いに訪れるファンがいるという。「モテモテの部長に心中は複雑だが、功績は認めざるを得ない。社長のいすを狙われないようにします」。田中さんは笑顔でスバルの頭をなでた。

【 2016年12月11日 19時19分 】

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