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「大名刻印石」並んで発見 京都・知恩院、毛利と京極?

寺院の許可を得て刻印石の拓本をとるグループのメンバー(京都市東山区・知恩院新門近くの石垣)
寺院の許可を得て刻印石の拓本をとるグループのメンバー(京都市東山区・知恩院新門近くの石垣)

 毛利家の家紋を省略して表す「一に○」と京極家などを表す「四ツ目」の刻印が並んで刻まれた珍しい「大名刻印石」がこのほど、京都市東山区の知恩院の新門近くの石垣で見つかった。伏見城や大坂城の石垣に使われたとされる山科区の石切場の石と同じ特徴があり、山科から運ばれた石である可能性が高く、発見した市民団体は「江戸時代に山科の石が京都の寺院にも使われていたことが明らかになった」と驚いている。

 新たな刻印石は、東大路沿いにある知恩院新門の南側の石垣で「山科石切場調査・研究グループ」が発見した。「一に○」の○は直径36センチもあり、その左下に15センチ四方の「四ツ目」が刻まれていた。

 山科の山中では、二つの刻印が並列している石は3カ所で見つかっている。石の質と刻印の大きさは新門近くの石も酷似していた。石を割るときに入れる「矢穴」が13個付いていて、その形状から江戸時代初期の石とみられる。

 知恩院新門近くの石垣はほぼすべてが同様の石質だった。徳川家に縁深い知恩院は江戸時代初期に幕府による大造営がなされていて、「他からの転用石は使わずに、この石垣だけのために山科の石切場から持ってきた可能性が高い」(同会の久保孝さん)という。

 刻印石は、採石した大名を示すほかに、山での採石範囲を示したという説もある。同団体の竹内良一さん(76)は「南禅寺(左京区)でも刻印石を見つけたが、京都の寺院で二つを並記した刻印石は初めてだ。なぜ同じ石に、二つの刻印がされたのかは分からない。刻印の順番や位置に意味があるのかもしれず、今後も研究していきたい」と話している。

■同様の石、伏見にも

 奥田尚橿原考古学研究所特別指導研究員の話 山科の山中にある石と同様の石は、現在の桃山御陵がある伏見城跡(京都市伏見区)や指月城跡(同)の石垣でも見たことがある。いろいろな場所に使用されていたのだろう。花崗斑岩や石英斑岩であり、同質の石であることは間違いない。

【 2017年06月02日 13時48分 】

ニュース写真

  • 寺院の許可を得て刻印石の拓本をとるグループのメンバー(京都市東山区・知恩院新門近くの石垣)
  • 左に「四ツ目」、右に「一に○」の刻印がはっきり残る
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