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戊辰戦争中の目安箱訴状発見 京都で全国初

訴状を説明する磯田准教授。中には装甲車のような兵器を描いた絵もあった(京都市内)
訴状を説明する磯田准教授。中には装甲車のような兵器を描いた絵もあった(京都市内)

 戊辰戦争中、明治新政府の統治下に入った京都で全国に先駆け置かれた目安箱に、京都の人々が入れた訴状の原本34通が8日までに見つかった。国際日本文化研究センター(京都市西京区)の磯田道史准教授(日本史学)が市内の古書店を通じ入手した。同時期の目安箱の訴状が見つかるのは全国でも初。幕末から明治への大転換期に、小学校建設や、物価高騰による窮状を訴えた書面が含まれている。

 目安箱への訴えを指す「箱訴」や、1868(慶応4、明治元)年を意味する「戊辰歳」と墨書された冊子に、1通ごとに筆跡の異なる34通がとじられていた。王政復古の大号令や鳥羽伏見の戦い直後で、明治改元前の68年2月、明治新政府は徳川幕府にならって全国初の目安箱を京の三条大橋西詰に設置。その後、堀川竹屋町橋や京都府庁前にも置かれ、東京や大阪でも順次設置された。

 見つかった訴状は主に68年6~12月の日付で、「堀川目安箱」との受領印がある訴状もあった。蛤御門の変(64年)などで荒廃した京の復興を建言する訴状が多く、「上京三十七番組」の住人は連名で公営の長屋建設を求め、その家賃を基に小学校を運営したいと要望している。

 また、新政府が68年5月に出した国内初の紙幣・太政官札の発行に伴う物価高騰を受け「農民など零細な人が苦しんでいる」「天皇の威光が衰えるもとになる」と不満をしたためる書もあった。飢饉(ききん)に苦しむ浜松の人が助けを求める書状や、装甲車のような兵器を新政府に提案する絵入りの訴状もあった。

 磯田准教授は「京都の庶民が明治維新と聞いた直後に何を思ったのか、生の声が分かる大きな発見。御一新をおおむね好意的に受け止め、京都の近代化に向けた前向きな提言が多い。今後調査を進めたい」としている。

【 2017年06月09日 08時34分 】

ニュース写真

  • 訴状を説明する磯田准教授。中には装甲車のような兵器を描いた絵もあった(京都市内)
  • 上京の住人たちが明治元年、小学校運営への支援などを求めて目安箱に入れた訴状
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