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中世の京都商人、何食べた? 地下室から魚や動物の骨

出土した魚や動物などの骨。鎌倉-室町時代の人々の幅広い食生活がうかがえる
出土した魚や動物などの骨。鎌倉-室町時代の人々の幅広い食生活がうかがえる

 京都市中京区新町蛸薬師北西角の発掘調査で、鎌倉時代末-室町時代初頭とみられる地下室(室(むろ))が見つかった。床は平らな石で固められており、有力な商人が設けた可能性がある。室町時代以降に捨てられた灰やごみから土器や陶磁器片をはじめ、魚や動物の骨が多数出土。研究者らは「中世の商人の食生活など暮らしぶりを知る上で貴重だ」と注目している。

 民間調査会社「京都平安文化財」が3~5月に調査した。室は南北2・1メートル、東西5・4メートルで、14世紀ごろに造られたとみられる。床に直径約20センチの石を並べ、その周囲に小石を敷き詰め、排水用の穴も設けられていた。市文化財保護課は「中世の室は土の床が多く、これほど丁寧に石で整地した室は珍しい」としている。

 室は壊され埋められており、その上に灰や炭などが何層も重なっていた。ごみ捨て場になったとみられ、鎌倉-室町時代の土器や輸入物を含む陶磁器の破片、貨幣のほか、食べられたとみられる魚や動物の骨などが大量に含まれていた。

 調査地が面する町尻小路(新町通)は、中世の下京で経済中心地の一つだった。周辺の六角町では、琵琶湖の魚の専売特権を持つ集団「粟津橋本供御人(くごにん)」が店を出していたことが知られている。奈良大の河内将芳教授(日本中世史)は「当時は魚屋以外にも多様な店が軒を連ねていたはず。室を備えた何らかの大規模な店があった」と推測する。高価な中国の陶磁器片が出土しており、「有力な商人たちの経済活動を裏付けられる」と期待する。

 見つかった骨には、ハモやサワラ、ブリなど海で捕れる魚のほか、犬やウサギなどの動物、ツルかコウノトリとみられる大型の鳥などが含まれていた。東海大の丸山真史講師(動物考古学)は「京都中心部の食生活の変遷を知る上でも貴重な発見だ」と注目する。

【 2017年06月09日 11時50分 】

ニュース写真

  • 出土した魚や動物などの骨。鎌倉-室町時代の人々の幅広い食生活がうかがえる
  • 平らな面を上にした石が並ぶ室の跡(5月下旬、京都市中京区新町蛸薬師北西角)
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