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京都観光、朝に脚光 人混み、渋滞なく快適

朝の世界遺産で庭園を眺めながら朝がゆを味わう観光客たち(17日、京都市中京区・二条城)
朝の世界遺産で庭園を眺めながら朝がゆを味わう観光客たち(17日、京都市中京区・二条城)

 京都観光は社寺や史跡を巡り、その近辺で買い物を楽しむのが定番だが、時間帯は昼間が中心だ。しかし、近年は訪日外国人の増加が相まって、「渋滞でうんざり」「どこに行っても人混みばかり」との不満も募る。そこで人の往来が少なく、ゆったり参観できる朝の観光に脚光が当たっている。

 午前8時、人影の少ない二条城(京都市中京区)で、朝から観光客でにぎわう建物がある。京都の豪商・角倉了以旧宅から移した茶室「香雲亭」。世界遺産の石垣や内堀、庭園を眺めつつ、朝がゆを味わう「朝観光」の企画が今夏、初めて催されている。

■僧侶のお勤め参列

 「朝の澄んだ空気と景色で優雅な時間を過ごせる。ちょっとした殿様気分です」と、会社員の定孝也さん(49)=東京都日野市=が笑顔を見せた。定員30席は予約で連日埋まり、テーブルを増やして40人まで受け入れるが、満席が続く。初回は8月末までの2カ月間に限ったが、城を管理する市は再実施を検討している。

 朝が早い社寺でも宗教都市ならではの体験を提供している。早朝の仁和寺(右京区)。宿坊「御室会館」の宿泊者は、朝6時からのお勤めに参列できる。一般公開していない国宝・金堂に上がり、曙光(しょこう)とろうそくに照らされた仏像を拝みながら、堂内に響く僧侶の読経に聞き入る。愛知県から来た会社員の女性(22)は「足こそしびれましたが、厳かな雰囲気に心洗われました」と話していた。

 朝観光は京都市が2014年、特集サイトを開き、旗振りしてきた。朝市や朝風呂、縁日、パン屋巡りを紹介し、「京都人の暮らしや文化に触れられる」(観光MICE推進室)とPR。昼に集中する観光客の分散化に加え、多くの人が前日から宿泊するため、観光消費額の向上を見込める利点も大きい。

 軌道に乗りつつある朝観光に対し、ライトアップの仕掛けで先んじた夜観光は、広がりに課題を抱える。1994年の「平安建都1200年」をきっかけに、社寺のライトアップが定着し、東山と嵐山の「花灯路」、「京の七夕」といった夜間行事も認知されてきた。ただ、2016年の市観光総合調査では、日本人客の6割、外国人客の4割が、夜観光(ナイトライフ)を「経験していない」と答えている。

■「夜」が課題に

 今夏、京の七夕を訪れたオーストラリア人の大学生エロイーズ・マドセットさん(22)は、午後9時ごろに終わる夜間行事が多い点を「私たちの感覚では、夜はこれから。終わる時刻が早過ぎる…」と物足りなさを口にした。「午後9時以降の行き先、通年の行事やエンターテインメント性の高い舞台といった受け皿が足りないという評価が根強く、課題だ」(市観光MICE推進室)。

 京都ツアーを数多く企画する、まいまい京都代表の以倉敬之さん(31)は「団体旅行から個人観光が主流になり、奥深さや特別な体験を求めるニーズは高まっている。朝観光や夜観光は分散化に寄与するだけでなく、いまは体験者が少ないだけに旅慣れた人の志向にも合い、企画次第で利用者はさらに増える」と予見している。

【 2017年08月27日 22時10分 】

ニュース写真

  • 朝の世界遺産で庭園を眺めながら朝がゆを味わう観光客たち(17日、京都市中京区・二条城)
  • 僧侶たちによる朝のお勤めに参列した宿坊の宿泊者たち(京都市右京区・仁和寺)
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