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大仏造営用の施設か 滋賀、紫香楽宮隣接の遺跡

東山遺跡の試掘調査で見つかった柱穴跡(甲賀市信楽町黄瀬)
東山遺跡の試掘調査で見つかった柱穴跡(甲賀市信楽町黄瀬)

 滋賀県の甲賀市教育委員会が試掘調査をしていた史跡紫香楽宮跡に隣接する東山遺跡(甲賀市信楽町黄瀬)で21日までに、大型の柱穴跡や金属鋳造設備の遺構などが見つかった。紫香楽宮では、同遺跡南側の甲賀寺跡で聖武天皇が国家安寧のために大仏の造営を進めたとされる。同市教委は大仏造営に関係する施設の可能性が高いとみて調査を進め、12月にも結果を報告する。

 紫香楽宮は奈良時代の742~45年に聖武天皇が築いた。東山遺跡は、宮殿跡とされる宮町遺跡と甲賀寺跡の中間の丘陵地にある。造成工事に先立ち、7~8月に調査対象の6千平方メートルのうち15カ所を試掘した。

 このうち2カ所から、掘っ立て柱を埋め込んだとされる柱穴跡が計六つ見つかり、最大で一辺が約1・4メートル四方の大きさだった。別の1カ所からは、中心が炭を含む黒色の土で、周辺部分が熱で赤く変色し、金属鋳造設備があったとみられる遺構が見つかった。

 同市教委は「柱穴跡の大きさなどから宮町遺跡の遺構などに匹敵する巨大な建築物と思われる。大仏造営の作業員を監督した役所や庫裏の可能性がある」とし、10月後半から柱穴跡周囲の詳細な確認調査をする。

 同市教委によると、「続日本紀」の記述などから、聖武天皇が紫香楽宮で大仏を造営していたが、骨組みは作ったものの完成前に中止したとされる。東山遺跡の周辺では、東側に大規模な鋳造設備遺構がある鍛冶屋敷遺跡、北側に道の橋脚の遺構などもこれまでに発見されている。

 紫香楽宮に詳しい栄原永遠男大阪市立大名誉教授(日本古代史)は「重要遺跡に挟まれた空白地域で、何か発見されるだろうと予期していたが、やっぱり出たかという思い。遺跡の解明がさらに進む第一歩となる」と話す。

【 2017年09月21日 23時25分 】

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