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ユーモラス「高松張子」 京都精華大教授が収集・展示

フサさん作の「ほうこさん」(左と、右から2番目)。戦前に作られた作者不明のものも展示している(京都市左京区・京都民芸資料館)
フサさん作の「ほうこさん」(左と、右から2番目)。戦前に作られた作者不明のものも展示している(京都市左京区・京都民芸資料館)

 高松市の郷土玩具である「高松張子」を、香川県出身である京都精華大の山名伸生教授(美術史)が長年にわたって収集している。特に、郷土玩具界の至宝と言われた宮内フサさん(1883~1985年)の素朴でユーモラスな作品に魅了されたという。今や忘れられようとしている「美」を再認識してもらうため、約240点を京都民芸資料館(京都市左京区岩倉木野町)で展示している。

 高松張子は江戸末期、関西から大量の練り物や張り子人形がもたらされて作られるようになったとされる。フサさんは明治16年、玩具販売業の家に生まれ、家業を手伝った。戦時中に空襲で人形の原型を全て焼失したが、戦後に記憶を頼りに粘土で型を起こし、制作を再開。作品の一つである「鯛持(たいも)ち戎(えびす)」が1959年に年賀切手の図案に採用され、全国から注目された。

 「フサさんの作品は、どれも明るくて朗らか」と山名教授はその魅力を語る。

 フサさんの人形は百数十種に及ぶという。中でも、高松張子を代表する人形の「ほうこさん」は味わい深い。姫の病気で身代わりの少女が島に流され、哀れんだ人々が「奉公さん」という人形を作るようになったと伝わる。フサさんの「ほうこさん」は前面に松葉や散らし梅が描かれ、ふくよかな顔立ちが愛らしい。

 ほかにも、婚礼の際に嫁ぎ先の近所に配る手土産の「嫁入り人形」や、男の子が生まれた初正月に母方の実家から贈られる小づちのような「ふりつち」などフサさんの作品を中心に、山名教授は地元の骨董(こっとう)店などで購入してきた。

 現在、フサさんの娘が制作を受け継ぎ、廃絶した人形を復活させる動きはある。しかし、作家が高齢化し材料の和紙が入手しにくくなり、「高松張子」は先細っているという。山名教授は「暮らしに息づいた美しさを若い世代に見つめ直してほしい」と話す。

 展示は29日と11月19日のみ見学できる。入場無料。問い合わせは京都民芸資料館075(722)6885。

【 2017年10月25日 12時10分 】

ニュース写真

  • フサさん作の「ほうこさん」(左と、右から2番目)。戦前に作られた作者不明のものも展示している(京都市左京区・京都民芸資料館)
  • 高松張子を収集している山名教授
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