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失われた芦生原生林の風景、水彩画に 京都で展示

水彩画展を開く平田さん。自宅から往復7時間の道のりを年30回ほど通い続ける。大カツラの大作は芦生での集大成という(4日、奈良県橿原市)
水彩画展を開く平田さん。自宅から往復7時間の道のりを年30回ほど通い続ける。大カツラの大作は芦生での集大成という(4日、奈良県橿原市)

 シカの食害の危機にさらされる京都大芦生研究林(京都府南丹市美山町)の植生をテーマにした水彩画展が来年1月1日から京都市内のギャラリーで始まる。森の調査研究に携わる画家の女性が、シカが食べ尽くした下層植物を絵筆で本来の姿に再現し、「失われた風景が未来には絵のように戻ってほしい」との願いを込める。

 奈良県橿原市の平田有加さん(44)。2001年に初めて研究林を訪れ、巨樹を包むように茂る深い緑に感動したという。だが07年に再訪すると、食害で地表を覆った下草がなくなっておりショックを受けた。「本来の姿を描きたい」。思いが芽生えた。

 どんな植物がどう自生したのか。研究者に聞いて論文を調べたほか、森の保全プロジェクトの手伝いに赴いて考えを巡らせた。森林インストラクターの資格を取って生態系への理解を深め、創作活動での入林許可も得て制作にかかった。現地でスケッチした風景を元に、本来の植生を描き加えていった。

 個展は「煌(きら)めきの森」と題して柔らかなタッチで森を表現する。50号の大作は、今では地面がむき出しになっている下谷の大カツラの周囲に、ラン科のナツエビネやアシウアザミなど京都府の絶滅危惧種を含む22種を再現。透明水彩絵の具に未来への願いを込めた。ほかに渓流の植生など計15点を展示予定。研究者らの団体による保全に向けた活動も紹介する。

 平田さんは「京都に残る原生林と、そこが抱える問題を知ってもらい、身近な自然にも目を向けてもらえたら」と話す。

 会場は東山区のぎゃらりーあーとぺーじ唯心(ゆいしん)075(761)7437。7日まで。

【 2017年12月31日 13時51分 】

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