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遺骨移すにも線量検査 福島・浪江出身の住職「いつか帰る」

東日本大震災後の福島県浪江町や町民の現状を語る小丸さん(京都市下京区・しんらん交流館)
東日本大震災後の福島県浪江町や町民の現状を語る小丸さん(京都市下京区・しんらん交流館)

 東日本大震災から7年となるのを前に、福島県浪江町出身の住職がこのほど「大震災・原発事故後の日常」と題して講演した。北海道東部へ避難した門徒や、寺から持ち出すお骨にも放射線量検査が必要であることなど、同町や町民の現状を語った。

 真宗大谷派の正西寺住職小丸真司さん(62)が同派本山・東本願寺(京都市下京区)の日曜講演で語った。

 震災当時の浪江町の人口は約2万1500人で、ほとんどが避難を強いられた。現在も福島県内で約1万4400人、県外で約6300人が避難生活を送っていて、町民は散り散りになっている。

 小丸さんも家族とともに東京都狛江市に移り、現在は同市と宮城県名取市を拠点に東日本各地に避難する門徒宅で法事を営む。

 正西寺の門徒は約350軒あった。寺には門徒の連絡先を記した電話帳があったが「携帯電話番号を書いていなかった」ために避難先が分からず、福島県二本松市に移った仮役場に行って自分の携帯電話番号を掲示。そのほか手紙などを通じ連絡を取り合った。

 同町から750キロ以上離れたオホーツク海沿岸の北海道斜里町に移った人もいたが、今冬亡くなった。「現地の大谷派の寺に密葬してもらい浪江町で本葬をした」。故郷にお骨となって帰還した。

 同町は東京電力福島第1原子力発電所の事故の影響で町中心部以外が帰還困難区域に指定されており、持ち出すものは全て放射線量の測定が実施されている。「町外にお墓を移そうとした門徒がいた。お骨も測定された」

 小丸さんは「今、浪江町に住んでいる人は500人ほど。私もいつかは帰る。ただ、いつ、どんなかたちかは分かりません」と模索が続く胸中を明かした。

【 2018年03月07日 10時46分 】

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