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牛頭天王、わが家で預かります 祇園祭、持ち回り困難で危機

自宅で預かることになった牛頭天王像を見つめる上原さん夫妻(京都市下京区)
自宅で預かることになった牛頭天王像を見つめる上原さん夫妻(京都市下京区)

 京都市下京区柳馬場通高辻下ルの吉文字町で、150年前に八坂神社が神仏分離で氏子の同町に託したと伝わる「牛頭(ごず)天王」の木像を、町内会古参の上原寿明さん(62)と紀美子さん(72)夫妻が今年から自宅で預かることになった。昨年まで町内会長が持ち回りで預かり祇園祭でまつってきたが、住民の高齢化や入れ替わりにより神社へ返そうという動きが出てきた中で、上原さん夫妻が「町内の伝統を守りたい」と明治150年の節目に決めた。

 同町に伝わる牛頭天王の木像は約26センチで、江戸時代中期に祇園社へ奉納された。明治維新の神仏分離令で祇園社から改称した八坂神社が、仏教に関連し、ふさわしくないとされた牛頭天王像を吉文字町に託したという。八坂神社は長年の保管に対し、約40年前に同町に感謝状を出している。

 同町では祇園祭期間中の7月上旬に牛頭天王をまつる「地ノ口祭」を毎年営み、祇園信仰を続けてきた。かつては秋にも御火焚(おひたき)をしたという。だが、近年は町内の持ち回りでの負担が課題となり、今年3月の町内会会合で八坂神社へ返還する意見が出た。地元で育った紀美子さんは吉文字町の伝統行事の消失を憂慮し、夫妻が自宅で預かることにした。

 夫妻は、今年も7月8日に自宅で「地ノ口祭」を営み、像をまつると意気込む。寿明さんは「像は、明治政府によって否定された牛頭天王の信仰を町内で150年間続けてきた証し」といい、紀美子さんは「小さい頃から『牛頭さん』と慣れ親しんできた。これからも文化を継承していきたい」と話している。

【 2018年06月30日 17時30分 】

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