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復興へ「諦めぬ走りを」 女子駅伝、宮城チーム

「粘り強い走りをしてもらいたい」と練習を見守る宮城の吉田監督(16日午前9時55分、京都市右京区・西京極陸上競技場)
「粘り強い走りをしてもらいたい」と練習を見守る宮城の吉田監督(16日午前9時55分、京都市右京区・西京極陸上競技場)

 東日本大震災で津波の被害を受けた宮城県石巻好文館高(石巻市)の前教諭が、全国女子駅伝の宮城を初めて率いる。吉田淳監督(44)=仙台市=。教え子を失い、学校もグラウンドも浸水した。心が折れそうな時、全国からの支援に救われた。つながりを感じた。3月で丸5年を迎える被災地の代表として臨む駅伝。「最後まで諦めない走りを」と、復興への思いと重ね合わせる。

 震災発生時は多くの生徒が部活動に励んでいた。津波警報で生徒や地域住民が校舎に避難したが、1時間後、沿岸から2~3キロの学校を波が襲った。3日後に出入りが可能になったが、卒業したばかりの生徒と在校生の2人を失った。親を亡くした同僚や家を失った生徒もいた。監督だった陸上部の練習グラウンドも、汚泥や沿岸の製紙工場から流れ着いた紙でまみれた。

 喪失感が残ったが、ボランティアによる支援が続いた。学校には夏にスイカ、冬にクリスマスケーキが届き、歌手の慰問もあった。吉田監督のランナー仲間は部員にと、練習ウエアやシューズを贈ってくれた。「子どもたちが喜んで。新品だと新しい気持ちになれるんです」。監督自身も、阪神大震災の被災者だった東海大時代の陸上部仲間から支援を受け「折れそうな心をつなぎ留めてくれた」と感謝する。

 2013年から県内陸の利府高で陸上部を指導する。「県内でも考えの違いはある」と、被災体験が風化する兆しも感じるが、陸上を通じて「子どもたちを育てることが復興につながる」と信じている。

 全国女子駅伝では長く宮城のコーチを務めたが、世代交代でチームを託された。大会前の合宿で選手に短く意義を伝えた。「感謝の気持ちを持ち、一生懸命頑張ることで、思いに応えよう」。直近3年間は30位台。若手を中心としたメンバーで目指すは20位台だ。

【 2016年01月16日 22時30分 】

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