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白みそに丸餅だけじゃない 京都の雑煮、地域で様々

中村教授が調べた餅だけの雑煮や納豆餅の分布図
中村教授が調べた餅だけの雑煮や納豆餅の分布図

 京都の正月といえば白みそに丸餅の雑煮を連想するが、丹波地域ではみそを餅ではさんで食べたり、雑煮ではなく納豆餅を食べ、府北・中部の多くは、頭芋(かしらいも)などの入らない餅だけの雑煮であることが、大阪府立大の中村治教授=京都市左京区=の調査でわかった。中村教授は「雑煮は身近なため、特徴がないと思われがちだが、地域の文化として大切にしてほしい」と話す。

 京都府立大や京都工芸繊維大の研究者たちでつくる「洛北の文化資源共同研究会」の活動の一環。中村教授が生まれ育った同区岩倉には、あんの詰まった独特の「もん餅」を食べる習慣があることから興味を持ち、府内の分布を調べた。対象を伝統的な食文化が色濃く残る京都府北・中部に絞って訪問したり、聞き取りしたりして調べた。

 京丹波町では、餅のみの雑煮に加え、自家製みそをはさんだ餅を食べていた。餅で納豆を包む納豆餅は、右京区京北と南丹市美山町を中心に食べられていたが、同市八木町神吉や同市日吉町中世木のほか、京都市北区の中川、雲ケ畑などでも見られた。

 中村教授は、右京区京北などは、気温が低く納豆作りに適していたため、みその代わりに納豆を入れる納豆餅が広まったとみる。京都の新春の菓子「花びら餅」と同様に、みそや納豆を包む前の餅を「花びら」と呼ぶ地域もあった。

 また、納豆餅の地域を取り囲むように、餅だけや1種類だけ具が入る雑煮のエリアが広がっていた。府北部の伊根町や与謝野町岩滝から福知山・綾部市、南丹市八木町などを経て西京区桂や左京区修学院などでもそうだった。

 中村教授は「丹波杜氏(とうじ)として知られた住民たちが、こうじを上手に取り扱う技術とともにみそ作りを伝えた。そこから餅を煮て、みそに入れる雑煮のかたちが広まったのでは」とみる。

 京都府立大京都和食文化研究センターの山下満智子特任教授は「雑煮は室町時代の京都が発祥とされる。京都のみそ店には丹波地方出身者が開いた店も多く、何らかの影響を及ぼしたのかもしれない」と話している。

 調査結果は、年内に研究会の報告書としてまとめる予定。

【 2016年01月10日 12時32分 】

ニュース写真

  • 中村教授が調べた餅だけの雑煮や納豆餅の分布図
  • 京丹波町では正月、薄く伸ばした餅に自家製みそをのせ、折りたたんで食べる(京都府京丹波町・山下泰さん提供)
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