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京都のレア洋書、アートに 美術家が豪で出品

日本の陶芸について書かれたモースのカタログ(右)と日本滞在中の日記
日本の陶芸について書かれたモースのカタログ(右)と日本滞在中の日記

 京都府立図書館(京都市左京区)が所蔵する100年以上前の貴重な洋書が、京都の若手美術家とともに初めて海を渡る。オーストラリアで3月に開幕する国際美術展に招待された美術家が出品作の一部とするためで、古い洋書が新しい創作を導き出す。

 この洋書は、大森貝塚の発見で知られる明治期の学者エドワード・モースが記した日本陶芸に関するカタログ(図録)と日本滞在中の日記2冊の計3冊。カタログは縄文土器など日本の陶器に関心を寄せていたモースが、各地で収集した膨大な陶器を産地別、窯別に詳細な図入りで整理分類。日本陶芸史を初めて体系的にまとめており、既に消えた地方の窯の陶器も含まれている。1901年、米国で出版され、同館は18年に入手した。全国で十数冊確認されているという。

 長く書庫に眠っていたこの本に光を当てるのは、美術家中村裕太さん(32)=下京区。廃れた窯近くの河川など各地で拾い集めた陶片やタイルを素材に、土地の歴史や記憶を結びつけた創作を行う。世界有数の歴史を誇る国際展「シドニー・ビエンナーレ」招待を機に、モースの著作を題材に作品化を考えた。

 中村さんは、モースが日記につづった旅や生活の中で歩いた道を現代にたどり直し、そこで見つけた陶片を、カタログや日記と並べたいという。「モースが関心を寄せていた近世は、地方の陶工が風土に根付いた陶器を作り出した。画一化して地域色が見いだしにくい今、彼が見ていた日本を探る展示にしたい」と語る。同館総務課の福島幸宏さん(43)は「100年間図書館が大事にしてきた資料の価値を美術家の方が掘り起こし、新たな創造につなげてくれてうれしい」と喜ぶ。

【 2016年01月25日 16時50分 】

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