出版案内
福祉事業団

斎王代、葵祭象徴し60年 戦後男性だけの行列に女性選ぶ仕組み

今年の第61代斎王代の西村和香さん(中央)と女官たち(4日、京都市北区・上賀茂神社)
今年の第61代斎王代の西村和香さん(中央)と女官たち(4日、京都市北区・上賀茂神社)

 葵祭のヒロイン、斎王代が1956年に創設されて今年で60年を迎えた。平安時代に下鴨、上賀茂両神社に仕えた「斎王」の伝統にヒントを得て、斎王に代わる女性を一般から選ぶ仕組みを確立し、葵祭に不可欠な存在になっている。

 今年の第61代斎王代は西村和香さん(26)。4日に北区の上賀茂神社で行われた「御禊(みそぎ)の儀」では、25代斎王代の母和美さん(53)から「凛(りん)とした姿で」とアドバイスを受けて臨んだ。親子で務めたのは西村さん親子で5組目だ。

 「斎王」は、両神社に仕えた皇室の内親王のこと。鴨川で身を清め、両神社に向かった。鎌倉時代前期に斎王の制度が廃絶して以降は男性だけの行列となった。

 行列は、戦時下の1943(昭和18)年に中止となり、53年に男性だけの行列で復興。56年に斎王代が創設され、女人列が加わった。このころ、祇園祭山鉾巡行は47年に一部が復活、52年には戦前通りの巡行に戻った。時代祭の行列は50年、婦人列を加えて復活していた。

 葵祭行列保存会長の猪熊兼勝さんによると、時代行列の婦人列新設に尽力した猪熊さんの父の故兼繁さんは、当時の宮内庁京都事務所長の故石川忠さんと懇意だった。京都の有職や装束の職人、京都商工会議所と協力し、斎王代を創設したという。「斎王代の創設は、時代行列に婦人列が新設されたことに影響されたと思います。これからは女性の時代だという時代の雰囲気や、宮廷文化の普及、観光の意味もあった」

 猪熊さんによると、斎王代は、京都にゆかりがあり、着物が似合い、行儀作法に秀でた女性が選ばれる。ところが、初代だけは、兼繁さんが指名した。

 初代斎王代、荒田文子さん=中京区=は、17歳のときに兼繁さんに声を掛けられた。「日本舞踊や三味線を習っていました。声が掛かり、(斎王代に)なりたいですよ。こう返事しました」

 56年の葵祭では、斎王代が乗る腰輿(およよ)は、現在のように台車ではなく、男性8人が担いで進んだ。「十二単(ひとえ)も本当に12枚重ねて着て、お歯黒もしました。なかなか色が落ちなかったことを覚えています」

■戦後コース大きく変遷

 戦後に葵祭の行列が復興してから、コースが大きく変化した。

 葵祭の行列は「路頭の儀」と呼ばれ、京都御所から下鴨神社、上賀茂神社に向かう。53年、戦後初めて行われた行列は1年だけ四条通を通り、その翌年からは御池通を通った。京都御苑内で堺町御門をUターンし、御苑の東にある清和院御門から広小路通を経て河原町通に進んだ例や、鴨川を渡って川端通を北上したりした。1961年までは、上賀茂神社から御所に戻る「復路」もあった。86年から現在のコースになった。

【 2016年05月14日 17時00分 】

ニュース写真

  • 今年の第61代斎王代の西村和香さん(中央)と女官たち(4日、京都市北区・上賀茂神社)
  • 斎王代が創設された1956年、十二単姿で撮影に臨む荒田文子さん(荒田さん提供)
京都新聞デジタル版のご案内

    地域のニュース

    全国のニュース

      政治・社会

      山裾、市街地、国道24号拡幅 国道「宇治木津線」3案を公開

      20170922000071

       国土交通省はこのほど、京都府城陽市から井手町、木津川市山城町を南北で結ぶ新たな国道「宇..... [ 記事へ ]

      スポーツ

      高梨沙羅、スロベニア合宿へ
      「動作完成させたい」

      20170922000090

       ノルディックスキーのジャンプ女子で平昌五輪の金メダル獲得を目指す高梨沙羅(クラレ)が2..... [ 記事へ ]

      経済

      東証、午前終値2万0289円
      北朝鮮情勢で反落

      20170922000085

       22日午前の東京株式市場は、前日の米国株安が重荷となり、売り注文が優勢になって日経平均..... [ 記事へ ]

      観光・社寺

      「関ケ原」テーマの72冊紹介 京都府立図書館に特設コーナー

      20170922000091

       関ケ原の合戦をテーマにした本を集めたミニコーナー「関ケ原~武将たちの決断」が、京都市左..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      ロボットで世代交流活性化 同女大がシステム共同開発

      20170921000198

       同志社女子大京田辺キャンパス(京都府京田辺市興戸)の学生と地域の高齢者が、世代を超えた..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      入場者が100万人を突破
      熊本県の水俣病資料館

      20170922000101

       水俣病の歴史と患者らの苦難を伝えてきた熊本県水俣市の市立水俣病資料館は22日、開館以来..... [ 記事へ ]