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iPS網膜、移植再開へ 京大や理研など4機関、初の他家移植も

臨床研究を再開する体制について説明する山中伸弥サイラ所長(神戸市中央区・市立医療センター中央市民病院)
臨床研究を再開する体制について説明する山中伸弥サイラ所長(神戸市中央区・市立医療センター中央市民病院)

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った網膜組織を、視野がゆがむ滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性の患者に移植する臨床研究を再開することを、理化学研究所や京都大iPS細胞研究所(サイラ)など4機関が6日、神戸市内で開いた記者会見で明らかにした。他人のiPS細胞を使った移植手術を初めて行う。早ければ来年にも実施する。

 免疫拒絶反応や腫瘍化の有無など安全性を確認するのが目的で、臨床研究にはほかに神戸市立医療センター中央市民病院と大阪大が加わる。患者自身のiPS細胞か他人のiPS細胞のいずれかから網膜色素上皮細胞を作製し、シートか液に混ぜた形(懸濁液)で移植する計4種類の手法を実施する。各5人程度の患者に行う。他人のiPS細胞を使う場合は、拒絶反応を起こしにくいタイプを備蓄したサイラの「iPS細胞ストック」を用いる。

 患者自身のiPS細胞を使った臨床研究の1例目では、患者が移植に同意してから手術実施まで約11カ月かかった。他人のiPS細胞を用いる場合は待機時間の短縮が見込める。移植後に免疫抑制剤を多く投与する必要性も低いとみられる。他人のiPS細胞を用いるとコスト面の抑制が見込め、懸濁液移植は手術も比較的容易という。

 今月中にも同中央市民病院の倫理委員会に申請する。山中伸弥サイラ所長は「ここまで研究機関がしっかり連携できることは心強い」、高橋政代理研プロジェクトリーダーは「臨床研究と治験を組み合わせて早く治療法を確立したい」とそれぞれ話した。

 iPS細胞から作った色素上皮細胞を移植する世界で初めての臨床研究は、2014年9月に1例目の手術を実施。経過は良好という。2例目では患者のiPS細胞の遺伝子に変異が見つかったため、昨年6月までに手術を見送っていた。

【 2016年06月06日 23時03分 】

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