出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

鴨川越えて山鉾巡行、鮮明な写真発見 明治の内国勧業博地鎮祭

(上)第4回内国勧業博覧会の地鎮祭で撮影されたという山鉾の写真。右から南観音山、八幡山と続き、真木4本も見える(下)左から黒主山、北観音山、浄妙山が写る(いずれも八反裕太郎学芸員提供)
(上)第4回内国勧業博覧会の地鎮祭で撮影されたという山鉾の写真。右から南観音山、八幡山と続き、真木4本も見える(下)左から黒主山、北観音山、浄妙山が写る(いずれも八反裕太郎学芸員提供)

 「第4回内国勧業博覧会」を2年後に控えた1893(明治26)年、京都市左京区岡崎で行われた博覧会場建設のための地鎮祭で、祇園祭の山鉾が並ぶ様子を撮影した鮮明な写真が見つかった。写真を購入、分析した穎川(えがわ)美術館(兵庫県西宮市)の八反裕太郎学芸員(43)によると、この地鎮祭に山鉾が出た写真は初めての確認であり、“知られざる山鉾巡行”の一面と言える。山鉾の近代史を捉える上でも注目される。

 同志社女子大で6月に開催された「藝(げい)能史研究会」の第53回大会において、八反学芸員が発表した。写真は2枚あり、それぞれ縦18センチ、横20・8センチ、当時主流だった鶏卵紙を使用していた。縦23・5センチ横28・3センチの台紙には「明治廿(にじゅう)六年岡崎大極殿四回大博覧會(かい)地鎮祭の時地かための為め引出せしの時の寫眞(しゃしん)」との書き付けがあった。

 写っていた山鉾は、後方から南観音山と八幡山、鯉山、浄妙山、北観音山、黒主山で、この年の祇園祭のくじ順とは異なる。判別できないが、鉾の特徴である真木(しんぎ)が4本立つ。後祭の山鉾に真木を持つ鉾はなく、前祭の鉾も出ていたことが分かる。鯉山には現在はない屋根が付き、南観音山2階に羽織はかま姿の囃子(はやし)方が乗る。ガス灯も確認できる。また、山鉾の進行方向に瓦屋根の建物が写り、八反学芸員は金戒光明寺(左京区黒谷)だとみる。

 1890(明治23)年4月8日、岡崎地区で行われた琵琶湖疏水完成記念式典に月鉾、鶏鉾、郭巨(かっきょ)山、油天神山の4基が出る絵図は残るが、鴨川を越えた場所で山鉾が写真に写るのは、地鎮祭の2枚だけという。八反学芸員は「山鉾町には大量の資料が眠っている。祇園祭の近代に目を向けるきっかけになってほしい」と話している。

【 2016年07月05日 16時27分 】

ニュース写真

  • (上)第4回内国勧業博覧会の地鎮祭で撮影されたという山鉾の写真。右から南観音山、八幡山と続き、真木4本も見える(下)左から黒主山、北観音山、浄妙山が写る(いずれも八反裕太郎学芸員提供)
京都新聞デジタル版のご案内

    地域のニュース

    全国のニュース

      政治・社会

      宮崎・硫黄山で小規模噴火
      6日ぶり、レベル3継続

      20180426000171

       宮崎県えびの市にある霧島連山・えびの高原(硫黄山)で26日午後6時15分ごろ、ごく小規..... [ 記事へ ]

      スポーツ

      カーリング、日本がプレーオフへ
      世界混合ダブルス

      20180427000003

       【エステルスンド(スウェーデン)共同】カーリング混合ダブルスの世界選手権は26日、スウ..... [ 記事へ ]

      経済

      ワコール「脱下着依存」へ 31年ぶりトップ交代

      20180426000217

       ワコールホールディングスが、塚本能交社長から安原弘展副社長へ、31年ぶりとなるトップ交..... [ 記事へ ]

      観光・社寺

      日本海側観光は「プラチナルート」 縦断ルート確立へ協議会

      20180426000214

       高速バスや鉄道事業を手掛けるWILLER(ウィラー、大阪市)と京都府舞鶴市、滋賀県長浜..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      「キャップ投げ」世界へ 京大生の挑戦、10月イタリアで披露

      20180424000102

       ペットボトルのキャップを、投げる。ただそれだけのことに、己のすべてを賭ける19歳がいる..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      初の素粒子衝突に成功、高エネ研
      新型加速器、宇宙誕生を再現

      20180426000027

       高エネルギー加速器研究機構(茨城県)は26日、旧型加速器を改良した新型加速器「スーパー..... [ 記事へ ]