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女子駅伝、輝く選手出て 中村友梨香さんがエール

「全国優勝のすごさを全国女子駅伝で味わった。岡山が初優勝したレースでは抜かれたら岡山に帰られへんと思った」と話す中村さん(兵庫県西宮市)
「全国優勝のすごさを全国女子駅伝で味わった。岡山が初優勝したレースでは抜かれたら岡山に帰られへんと思った」と話す中村さん(兵庫県西宮市)

 全国女子駅伝は数多くの五輪ランナーを生んできた。2008年の北京五輪女子マラソン代表の中村友梨香さん(30)もその一人だ。女子駅伝で全国優勝の喜びを初めて味わい、都大路での快走を五輪への大きな自信につなげた。現役時代の後半は走ることが嫌いになるほど苦しんだが、引退した今は陸上クラブで競技の普及に務め、世界で活躍する選手の誕生を願っている。

 中村さんは県西宮高3年だった04年の第22回大会に兵庫から初出場し、5区6位で優勝に貢献した。実業団の天満屋に進み、岡山から出場した08年の第26回大会と続く第27回大会で1区区間賞を獲得。特に08年は北京五輪選考会を兼ねた名古屋国際女子マラソンを3月に控え、「選考会で勝つ気ならどんなレースでも絶対に負けたらあかん」と強い気持ちで臨んだ。

 初マラソンだった名古屋国際で優勝し、北京五輪代表に選ばれた。練習は順調だったが、野口みずき選手の欠場が直前に決まり気持ちが微妙に揺れた。「(メダルなど)結果は先輩の野口さんと土佐礼子さんに任せて、気楽に走ろうと思っていた。周りからも先輩たちに引っ張ってもらったらいいと言われていた」。地に足が着かないまま本番を迎えた。

 もやもやした感覚を拭い去れず、レース中のペースアップが「すごく上がったように感じ、立て直せないまま終わってしまった」。13位という結果だけでなく、「悔しいと思えるところまで頑張れていないことが嫌だった」と振り返る。

 もう一度、世界舞台できちんと走りたいという思いを、翌年の世界選手権にぶつけた。女子1万メートルで7位入賞。勝利への重圧もなく「一番リラックスして臨めた大会。大歓声もうれしくて、外国人選手にびびることもなかった」と語る。その後はレースで思うように結果が出ず、「今まで良かった分、悪い自分に向き合えなかった」と競技を離れた。

 天満屋の社員としてレジ打ちや物産展の企画に取り組んだ。陸上を始めた中学時代の恩師に会うなど走る楽しさを取り戻したものの、27歳で引退を決めた。

 現在は実家のある兵庫県に戻り、五輪メダリストの朝原宣治さんが主宰する陸上クラブでコーチを務める。子どもや市民ランナーが健康で楽しく走り続けるために、自らの経験を伝えたいと指導にあたる。

 自身が挑んだ北京五輪以降、女子マラソンのメダルは途絶えている。「力のある選手はいる。目先の勝利だけでなく、自分がレースを引っ張って勝つという意識を大切にしてほしい。『東京五輪で私がメダルを復活させるねん』という人が出てきてほしい」と後輩たちにエールを送る。

【 2017年01月09日 21時23分 】

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