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信楽鉄道事故26年、語り継ぐ 「加害」立場超え職員ら

信楽高原鉄道事故が起きた経緯を甲賀市の新採職員に説明する前田さん(甲賀市信楽町長野・信楽高原鉄道信楽駅)
信楽高原鉄道事故が起きた経緯を甲賀市の新採職員に説明する前田さん(甲賀市信楽町長野・信楽高原鉄道信楽駅)

 滋賀県甲賀市信楽町の信楽高原鉄道(SKR)が、JR西日本との列車衝突事故を教訓として、安心安全を守る大切さを訴える活動に力を入れている。事故の風化を防ごうと、悲劇の「加害者」として、事故の詳しい状況や思いを伝えている。

 事故は1991年5月14日、旧信楽町での「世界陶芸祭」開催に合わせ臨時運行していたJR西日本の下り列車と、SKRの上り列車が正面衝突し、42人が死亡、600人以上が負傷した。2011年、事故に関わるすべての訴訟が終結した。

 講話を行うのは前田潤常務取締役(66)。訴訟終結を機に、年に5回ほどJR各社や労働組合、工事会社の集会などで話している。昨年はJR東の職場管理者ら約800人を前に講演した。

 事故当時、前田さんはJR西社員として病院で被害者家族らの対応などを担い、11年に現職に就いた。訴訟終結までは「遺族の気持ちを考えると、加害者のSKRが公に話をすることは考えられなかった」という。だが「どの会社も過去の事故を知らない世代が増えており、経験を伝承する語り部が求められている」と、講話依頼に応じている。異常時の対応を日頃からイメージすることや、事故時に平常心を保つ大切さを、経験を交えて話す。

 11日に行われた甲賀市の新採職員19人への講話では、前田さんはホワイトボードに路線図を描き、信号の状況を赤と青の磁石で示しながら、事故の経緯や状況を具体的に説明した。「庁舎の入り口に置かれた車いすのタイヤの空気が抜けていたことがあった。体の不自由な人が来庁した際どうするのか」と、平素からの心配りの重要さを説いた。

 すこやか支援課に配属された谷香奈恵さん(22)は「生まれる前の事故で、地元に住んでいながら詳しい内容は知らなかった。危険に気づける視点を持って仕事に臨みたい」と話した。

 この日は、14日の犠牲者追悼法要を前に、同市職員、SKRとJR西社員の計65人が、事故現場である慰霊碑周辺を清掃した。

【 2017年05月12日 08時20分 】

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