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校長叱責に土下座、職員退職 滋賀、パワハラ調査せず

 昨年5月に大津市のホテルであった滋賀県教育委員会と県立学校(高校・特別支援学校)の校長らの懇親会で、県教委の男性職員が男性校長から「君が代斉唱の伴奏が止まった」などと叱責(しっせき)され、人前で土下座していたことが25日、関係者への取材で分かった。職員はその後、仕事を休むようになり、昨年度末で退職した。県教委は「職員からの申し出がない」との理由でパワハラに当たるかなどの調査はせず、校長も処分していない。

 複数の関係者によると、当日は校長の服務などに関する県教委の研修会が行われ、その流れで、校長と県教委事務局の職員の親睦を深める目的で懇親会が行われた。100人近くの出席者がおり酒類も振る舞われる中、会の終わりごろに、研修会で出席者が歌う君が代の伴奏が途中で止まるなど進行が乱れたとして、研修会で進行役を務めた男性職員が校長の叱責を受け土下座した、という。

 会場にいた人は「怒鳴り声が聞こえ、2人の間に止めに入った人もいた」と話す。ほかの出席者も「職員が一方的に怒られていた」、「注意の仕方に配慮が必要だった」と話す。

 男性職員は届けを出した上で休む状態が続き、退職を申し出た。県教委の聞き取りに対し、「自分の仕事に対する行き詰まりを感じた」との趣旨の話をした、という。懇親会の前は休みがちだった事実はなく、関係者は「まじめで優秀な職員だった」と話す。

 校長は京都新聞の取材に対し、「研修会の進行がぐだぐだだったので、宴会の席になってから『なんであんなことになったんや』と聞くと、突然膝をついて頭を下げようとしてきたので、驚いて『そんなことしなくていい』と止めた。強要は絶対にしていない。大切な会と分かっていたから演奏が止まった理由を聞きたかった」と話している。

■パワハラだ。しっかり調査を

 NPO法人メンタルサポート京都常務理事の山村隆さん(66)の話 公衆の面前で大声で叱責されて土下座をする状況は人格や人権が尊重されておらず、パワハラだ。多くの加害者は「そんなつもりはなかった」と言う。指摘されるまでパワハラに気づけない加害者もいる。

 今回の件でも、校長が強要はないと言っていたとしても、土下座せざるを得ない状況や関係をつくり、追い込んでいることを推し量れなかった可能性がある。

 被害者本人がパワハラを申告するのは職場の人間関係や体面もあってハードルが高い。真剣にパワハラをなくそうとするならば、第三者でも声を上げられる環境をつくり、疑わしい事案はしっかり調査することが必要だ。

【 2017年05月26日 08時49分 】

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