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広辞苑を感じて 編さん者・新村出ら資料、京都で公開

改定作業の資料を示す新村恭さん。後ろの棚には歴代の広辞苑が並ぶ(京都市北区小山中溝町・重山文庫)
改定作業の資料を示す新村恭さん。後ろの棚には歴代の広辞苑が並ぶ(京都市北区小山中溝町・重山文庫)

 「広辞苑」を編さんした国語学者新村出(しんむらいずる)(1876~1967年)ゆかりの文献を所蔵する京都市北区の新村出記念財団重山(ちょうざん)文庫がこのほど、広辞苑の誕生や改訂にまつわる資料を整理し、一般公開を始めた。さまざまな言葉の意味や用例を書き留めた膨大な直筆ノート、次男の猛氏(故人)による改訂作業のゲラやメモなど、辞書づくりの舞台裏を生々しく伝える。

 重山文庫は、新村が明治維新の元勲、木戸孝允から譲り受けた邸宅を改装し、1981年設立の記念財団が運営している。約1万3千冊の蔵書や書簡を保管しており、研究者らに公開されてきた。これまでも一般の閲覧は可能だったが、常設展示は少なく、猛氏の次男恭さん(70)がこの4月に財団嘱託に着任したのを機に、広辞苑の制作に焦点を当てた展示スペースを設けた。

 展示の中心は、新村家が所蔵する著者用の資料。ゲラは分野ごとや五十音順など同じ版でも複数あり、新規に追加する項目の書き込みや用例見直しの痕跡が残る。改訂のためにびっしりと付箋が挟まれた広辞苑や、版元の岩波書店が所蔵する原稿の写真資料も並ぶ。

 圧巻は、900冊に上る新村直筆のノート類。例えば「パン食史考」と題された6冊のノートには、語源や用法、伝来や製法に至るまで詳細に記されている。貴重資料のために常時公開はしていないが、希望すれば閲覧できる。

 初版が1955年5月25日に刊行されたことにちなみ、きょう25日は「広辞苑の日」。恭さんは「実際に新村出が暮らし、仕事した場所で辞書づくりに励んだ往時を想像してもらえたら」と話している。

 重山文庫は月曜、金曜開館。土曜、日曜の見学希望も相談に応じるという。問い合わせは記念財団TEL075(411)9100。

【 2017年05月28日 22時00分 】

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