出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

シジュウカラの鳴き声に文法? 京大、言語研究に一石

シジュウカラの鳴き声に関する実験
シジュウカラの鳴き声に関する実験

 人間だけでなく鳥類のシジュウカラも独自の「文法」を持ったコミュニケーションをしている可能性の高いことを、京都大生態学研究センターの鈴木俊貴研究員らが明らかにした。自然にはない鳴き声の組み合わせを人工的に作って聞かせても、文法に従っていれば意味を理解し行動に移したという。米生物学誌に28日、発表する。

 シジュウカラは約170種類の鳴き方をするとされる。このうち「ピーツピ」という鳴き声は周囲を見回し警戒する行動につながり、「ヂヂヂヂ」は仲間を呼び寄せる時に使う。鈴木研究員のこれまでの研究では「ピーツピ・ヂヂヂヂ」という鳴き声では警戒しながら仲間が集まる一方、「ヂヂヂヂ・ピーツピ」では何も行動に移さないことを確認。シジュウカラは文法に沿って、複数の鳴き声を組み合わせている可能性があると考えていた。

 ただ「ピーツピ・ヂヂヂヂ」の背景に文法はなく、単一の鳴き声として理解されている可能性は、排除できなかった。今回の研究では、文法の存在をさらに明確に示すため、シジュウカラと一緒に群れを作ることがあるコガラに着目。コガラは「ディーディー」という鳴き方で仲間を呼び寄せる。シジュウカラはこうした鳴き方はしないが意味を理解し、声を聞くと集まってくる。

 長野県軽井沢町で昨年11月、野生のシジュウカラ計28羽に対して、録音を組み合わせて作った「ピーツピ・ディーディー」と「ディーディー・ピーツピ」の2種類の人工の鳴き声を90秒間聞かせた。結果、シジュウカラは前者でだけ、警戒しながら音源に近づいてきた。

 別の実験でシジュウカラが「ヂヂヂヂ」と「ディーディー」を聞き分けていることなども判明。こうした事実から、「ピーツピ・ヂヂヂヂ」と「ピーツピ・ディーディー」は、単一の鳴き声としてではなく、文法に沿った複数の鳴き声の組み合わせとして理解されていると結論づけた。

 鈴木研究員は「人間の言語の成り立ちを考える上で、貴重な成果と考えている」と話す。今後、シジュウカラの近縁種へ研究の幅を広げ、文法を用いたコミュニケーションの進化の過程を解明したいという。

【 2017年07月28日 08時36分 】

ニュース写真

  • シジュウカラの鳴き声に関する実験
京都新聞デジタル版のご案内

    地域のニュース

    全国のニュース

      政治・社会

      35度以上で主催イベント中止検討 大津市が熱中症予防会議

      20180717000191

       連日の酷暑を受け、大津市は17日、熱中症予防のための庁内会議を開き、気温が35度以上に..... [ 記事へ ]

      スポーツ

      卓球、南北チームが勝利
      北朝鮮選手に大声援

      20180717000196

       【大田共同】韓国中部の大田で17日、卓球のワールドツアー、韓国オープンの予選が始まった..... [ 記事へ ]

      経済

      GS、12年ぶりCEO交代
      ブランクファイン氏退任

      20180717000200

       【ニューヨーク共同】米金融大手ゴールドマン・サックス(GS)は17日、ロイド・ブランク..... [ 記事へ ]

      観光・社寺

      神輿集結「ホイット」響く 祇園祭・神幸祭

      20180717000205

       祇園祭の神幸祭が17日夜、京都市中心部で行われた。東山区の八坂神社前に3基の神輿(みこ..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      京都薬科大など3薬科大が連携 薬剤師養成へ協定

      20180717000184

       京都薬科大(京都市山科区)と、星薬科大(東京都品川区)、明治薬科大(同清瀬市)は17日..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      魚の表皮に「車輪」のような細胞
      傷修復へ高速移動

      20180717000139

       魚の表皮細胞が、車輪のような部品を回転させて、細胞ごと前進することを発見したとの研究結..... [ 記事へ ]