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先妻の亡霊、後妻に重なる…仏戯曲を新作能に 京都

新作能「面影」の稽古。永謹さん演じる先妻の亡霊(左)と、後妻の姿が重なる(京都市上京区・金剛能楽堂)
新作能「面影」の稽古。永謹さん演じる先妻の亡霊(左)と、後妻の姿が重なる(京都市上京区・金剛能楽堂)

 関西日仏学館(現アンスティチュ・フランセ関西、京都市左京区)の創立90周年を記念して、フランスの劇作家ポール・クローデル(1868~1955年)の戯曲を原作にした新作能「面影」が29日、初演される。京都の金剛流宗家・金剛永謹(ひさのり)さん(66)が主演(シテ)、和歌を伝える冷泉家時雨亭文庫の冷泉貴実子さん(70)らが詞章を監修し、フランスと京文化の凝縮した能舞台を目指す。

 日仏の文化交流を進める同学館は、駐日仏大使だったクローデルの提唱を受けて創立した。今回、関係者の薦めもあり、クローデルが戦前に手掛けた戯曲「女と影」を基にした新作能の準備を2年前から進めていた。

 物語は、武士の目前に亡くなった先妻の亡霊(永謹さん)が現れ、後妻の姿と重なり合っていく-という展開。1923年に歌舞伎の舞踊劇で上演され、パリではバレエとして好評を得た記録があるが、クローデル自身は同作を「私の能」と呼んだという。

 永謹さんは「歌舞伎では怪談のように写実的な演出をしたようだが、能では内面世界を表す抽象表現が求められる」とする。世阿弥が和歌の勉強を重んじたこともあり、詞章の監修を冷泉さんに依頼した。

 冷泉さんが能の詞章を監修するのは初めて。特に難しかったのは、戯曲に出てくる桃の花と蝶(ちょう)の解釈という。「何を暗示するのか研究者の方に聞いても分からず、春をイメージしていると独自に考えた。先妻の霊と後妻が重なる場面は春、最初と最後に武士が一人いる場面は秋と捉え、春の場面は夢のように見えるようにした」(冷泉さん)

 藤原定家の和歌を盛り込むなど、春と秋の季節感とともに「先妻への武士の永遠の思慕が面影として残る」という主題を表した。現在、稽古を重ねており、永謹さんは「人間の愛の難しさのようなものがにじめば」と話す。上京区の金剛能楽堂で29日午後4時開演。料金は4千~8千円。同能楽堂075(441)7222へ。

【 2017年10月12日 11時40分 】

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