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平安前期の幻の山岳寺院跡か 京都、シカが草食べ発見

山中の平たん地で見つかった建物跡の礎石(京都市左京区)=梶川敏夫さん提供
山中の平たん地で見つかった建物跡の礎石(京都市左京区)=梶川敏夫さん提供

 京都市左京区の山林で、平安時代前期とみられる建物2棟の遺構が17日までに確認された。周辺では、平安時代中期-室町時代の山岳寺院、如意寺跡が見つかっている。今回の建物跡は、如意寺の境内を描いた古絵図と一致せず、平安時代前期以前にあったとされる幻の「檜尾古寺」の可能性があるという。

 調査地は、大文字山(如意ケ嶽)の南約250メートルに位置する尾根の南向き斜面。昨冬、シカが広範囲に草を食べたことで複数の礎石が見つかった。元京都市考古資料館長で京都女子大非常勤講師の梶川敏夫さんと同大学考古学研究会の学生が8月に測量・調査した。

 尾根の一部を削り、2段の平たん地が造成されていた。それぞれの礎石の配置から、上段に東西15メートル、南北2・7メートル、下段の東部に東西14・4メートル、南北8・1メートルの建物があったとみられる。

 現場は1985年以降の継続的な調査で、園城寺(三井寺、大津市)の別院如意寺の大慈院跡と推定されていた。ところが、確認された地形と建物の配置は、室町時代前期の「園城寺境内古図」(重要文化財)で描かれた、一つの大きな平たん地に多くの建物が密集する大慈院の様子と大きく異なっていた。

 今回の調査では、平安時代前期の9世紀の土器や瓦ばかりが見つかった。調査地南部の山中では平安時代前期の安祥寺上寺跡の遺構が見つかっている。同寺創建に携わった僧の恵運(798~869年)が記した「安祥寺資財帳」には、寺域の北側が「檜尾古寺所」だとある。梶川さんは「今回の建物跡は、9世紀前半以前に設けられた檜尾古寺に関連する遺構ではないか」と指摘している。

【 2017年11月18日 09時20分 】

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