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増える転売、店での判別困難 京都高島屋、人形買い占め

京都高島屋で限定販売された人形「ロリーナ」。故中原淳一氏の作品を再現した
京都高島屋で限定販売された人形「ロリーナ」。故中原淳一氏の作品を再現した

 3月末、京都高島屋(京都市下京区)で100体限定で販売された人形を、1人の男性が買い占めたとみられる事案があった。男性の意図は不明だが、このところ、品薄の新型ゲーム機やお得な初売りの商品などが転売目的で購入される事例が目立つ。背景には商品売買取引サイトの普及などがあり、店舗側も対応に苦慮している。

 ■店にクレーム相次ぐ

 京都高島屋で販売された人形は、「スーパードルフィー」と呼ばれる模型製造販売ボークス(下京区)の製品。画家の故中原淳一氏の美少女画を再現したことが話題になり、12万4200円と高額ながら開店前から約200人が並んだ。同店は1人2体までに購入を制限し、先着した50人と手続きを進めたが、代金を支払ったのは1人の男性だったという。

 同店は「転売目的かどうかの判断は難しい」と予定通り販売したが、店にはクレームが相次いだ。5月にも日本橋高島屋(東京)で同じ人形の限定販売を予定するが、「販売方法は見直す」(広報担当者)としている。

 人形鑑定士の池田久美さんは今回の一件について、「スーパードルフィーは、ファンが購入する行為を『お迎えする』と表現するほど人気が高く、好きな人は高値でもネットで買う。買い占めたと見られる人物はそうした実情を熟知し、100体全て買うことで価格を操作できると考えたのではないか」と分析。その上で「人形を本当に欲しくて来た人が入手できず、金もうけの道具にされることは本来の趣旨から外れるのではないか」と指摘する。

 ■明らかなルール違反なら…

 近年、百貨店の限定品や家電の人気商品、人気アーティストのチケット販売などが買い占められ、ネットで転売されるケースが相次いでいる。昨年は、品薄だった任天堂の新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」(定価3万2378円)がオークションサイトに出品され、4万円を超える値が付けられたこともあった。

 店舗側も一定の対策は取っている。ジェイアール京都伊勢丹(下京区)は、希少性の高い商品を販売する時には、客が入店する順番を抽選で決めている。家電量販店大手のヨドバシカメラも、人気商品は購入数を制限し、「明らかにルール違反の場合は現場の判断で販売をお断りしている」(広報担当者)という。

 ただ、抜本的対策は難しいのが実情のようだ。ある百貨店関係者は「個人でのまとめ買いと転売目的とを判別しにくいのが現実」と漏らす。オークションや個人売買ができるサイトが広がる中、転売目的の買い占めを専門に狙うグループもあるとされ、小売店側の対応は限界にきている。

 立命館大の紀國洋教授(産業組織論)は「安く仕入れて高く売るのは通常の商取引なので、転売目的の買い占め自体は善悪を判断できない。法規制は円滑な商取引を阻害する可能性がある」と転売の完全な排除は難しいと見る。一方で「購入の手続きを面倒にしたり、抽選にしたりすることで転売業者の介在は一定減らせる。耐久消費財はリース契約で所有権を売り手に残す方法も考えられる。一般顧客に低価格で商品を提供したいのなら、販売方法を工夫すべきだ。売り手の覚悟が問われる」と指摘している。

【 2018年04月16日 16時30分 】

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