立憲民主党や国民民主党など野党の合流協議が動きだした。

 自民党の「1強」に対抗すべく「多弱」を克服したいとの方向性は理解できるが、選挙目当ての離合集散は有権者の信頼を失う。まずは政治理念や基本政策を一致させる徹底した協議が欠かせない。

 立民が衆参両院で統一会派を組む各党に合流を提案。これを受け、国民や社民党は党内論議を経て立民と協議を始める方針を決めた。衆院の無所属議員グループも年内の合意を目指すことにした。

 次期衆院選に向け、会派を政党に衣替えして態勢を強化し、安倍晋三政権への批判票の分散を防ぐのが狙いだ。統一会派は現在、衆院120人、参院61人で、全議員がまとまれば安倍政権にとってあなどれない数に違いない。

 合流協議の早期決着へ意欲はうかがえるものの、立民が主導する形での合流はハードルが高い。

 「理念、政策、政治姿勢を貫く」として「吸収合併」の構えの立民に対し、国民が党名や政策、人事での「対等な立場」での協議を求めているからだ。7月の参院選で立民と争った国民の参院側に反発が強いのも懸念材料だろう。

 政党として合流するには、基本政策の一致は言うまでもない。大義を欠いた数合わせの合流は有権者に旧民進党の復活と映る。再び分裂を招くことにもなろう。

 しかし溝は深い。とりわけエネルギー政策を巡って、立民は「原発ゼロ」を掲げ、片や国民は原発再稼働を容認してきた。

 難航は必至とはいえ、互いに一致点を探る努力が必要だ。協議を通じ、いかに信頼関係を醸成するかも鍵となる。

 折衷ではなく新たな結集軸を探れないか。安倍政権に飽き足りない有権者の不満や要望をすくい取った独自の政策を打ち出し、実現に向けた具体策を示すことが求められよう。新しい政治のあり方を探る好機と受け止めてほしい。

 安倍政権には、長期ゆえのおごりや緩みが目立つ。それを許し、長らく「多弱」に甘んじてきた野党の責任は重い。

 統一会派は先の国会で、足並みをそろえ「桜を見る会」の疑惑追及を強めた。2閣僚辞任や英語民間試験の導入見送りに追い込んだのも一定の成果と言えよう。実際、世論調査で内閣支持率は急落している。

 政権交代の「受け皿」としては未知数とはいえ、野党合流で政策や国会運営面で安倍政権に対峙(たいじ)できる勢力になり得る。「1強」打破へ展望を示してもらいたい。