部活動をするため、公立中学校で通学区域外から「越境通学」する生徒がいるという声が京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に寄せられた。京都新聞社ではこのほど、部活動を目的とした越境通学について、当事者を知っているという人と当事者を対象にインターネットでアンケートを実施し、意見を募った。

 アンケートでは越境通学の動機や当事者を知った経緯について、選択式で回答を求めた。主に京都市の当事者から2件、当事者を知っているという人から60件、その他2件の回答があった。当事者の2人はいずれも、越境通学の理由を「良い指導者がいる(いた)から」と答えた。

■「強豪化目的、部活見直す時期」

 回答者64人のうち、24人が記述式で意見を寄せた。多くは越境通学に対し否定的な考えだったが、当事者でない回答者からも一部、理解を示す声があった。学校で部活動の指導力や設備が異なることを踏まえ、「指導スキルのある先生の下で活動できるなら、子どもの成長につながるので良い」「どの子にもチャンスは均等に与えられてほしい」などの意見があった。
 ある回答者は、部活動は子どもの教育に有意義としながらも「チームを強くすることが第一目的になっていないか。活動の意義を考え直す時期に来ているのでは」と疑問を投げかけた。子どもが所属する部活動に越境通学の生徒がいるという別の回答者は、「子どもは教員がルール違反を黙認していると感じていて、不信感を抱いているようだ」と心配する。一方で「越境に関係なく子ども同士は友人なので、親としては複雑な気持ち」と胸の内を明かした。
 スポーツ庁が策定した運動部活動ガイドラインの作成に携わった教育研究家の妹尾昌俊さんは、「今回の問題は、学区制を採用している自治体では保護者や子どもが自由に公立学校を選べないことと、公教育の中で部活動が大きくなりすぎていることが背景にある。部活動はあくまでも教育課程外の活動であり、学校では授業を重視すべきという認識を、社会全体で共有すべき」とする。

 ◇  ◇
 京都新聞社は、みなさんからの依頼や情報を受けて取材する双方向型報道「読者に応える」に取り組んでいます。身近で起きている困りごとや疑問、社会問題などについて、ぜひ情報をお寄せください。LINEで友だち登録https://line.me/R/ti/p/%40pjm9145eすると、記者とやりとりできます。あなたからの情報をきっかけに記者が動き、社会が動きます。